2000 Fiscal Year Annual Research Report
LIM-キナーゼ結合因子の同定とアクチン細胞骨格制御における機能解析
Project/Area Number |
12780463
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大橋 一正 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10312539)
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Keywords | LIMキナーゼ / アクチン / コフィリン / リン酸化 |
Research Abstract |
LIMキナーゼはアクチン脱重合因子であるコフィリンをリン酸化し不活性化することで細胞内アクチン骨格を制御するシグナル分子である。本研究では、LIMキナーゼ1(LIMK1)によるアクチン骨格の再構築の細胞における機能を明らかにするために、LIMK1に相互作用する活性制御因子の検索と新たな基質の同定を進めている。LIMK1とGSTの融合蛋白質を動物細胞に大量発現させ、結合蛋白の同定を試みたところ、約55kDaの蛋白質を検出した。これを精製し部分アミノ酸配列の決定を行った結果、β-チューブリンである事が明らかとなった。さらに解析を進め、LIMK1はβ-チューブリンに結合し、また、β-チューブリンを基質としてリン酸化することが明らかとなった。チューブリンが構成する微小管のネットワークはアクチン骨格と相互に協調して細胞の形態や運動に関与する事から、LIMK1は微小管のネットワークの形成にも関与していることが考えられるが、現在のところLIMK1による微小管ネットワークの形態に対する影響は検出されておらず、LIMK1の細胞内局在等に関与する可能性が考えられる。また、LIMK1の強制発現によって引き起こされるアクチン骨格の再構築パターンに類似したアクチン骨格の再構築を誘導する蛋白質、局在が類似している蛋白質を検索した。まず、種々のアクチン結合蛋白質とLIMK1の相互作用を検討した結果、LIMK1のキナーゼ活性依存的にアクチン結合活性が上昇するものを見いだした。この因子を解析することでLIMK1特異的に誘導されるアクチン骨格構造を分類し、細胞に対するLIMK1の働きの分子メカニズムを明らかにできると考え、現在、この因子がLIMK1によってどのようにアクチン結合活性を制御されているのかを検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kazumasa Ohashi: "A Drosophila homolog of LIM-kinase phosphorylates cofilin and induces actin cytoskeletal reorganization."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 276・3. 1178-1185 (2000)
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[Publications] Haruhiko Bito: "A critical role for a Rho-associated kinase, p160ROCK, in determining axon outgrowth in mammalian CNS neurons."Neuron. 26・2. 431-441 (2000)
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[Publications] Hiroyuki Aizawa: "Phosphorylation of cofilin by LIM-kinase is necessary for semaphorin 3A-induced growth cone collapse."Nature Neuroscience. (in press).
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[Publications] Yoshikazu Ishimoto: "Promotion of the uptake of PS liposomes and apoptotic cells by a product of growth arrest-specific gene, gas6."J.Biochem.(Tokyo). 127・3. 411-417 (2000)
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[Publications] Tomohiko Wakayama: "The expression and cellular localization of the sperm flagellar protein MC3 I/CE9 in the rat testis : possible posttranscriptional regulation during rat spermiogenesis."Arch.Histol.Cytol.. 63・1. 33-41 (2000)