2000 Fiscal Year Annual Research Report
ツメガエル卵母細胞におけるアクチビン情報伝達の解析
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12780551
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 彰雅 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80262103)
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Keywords | アクチビン受容体 / 卵母細胞 / ツメガエル / ミトコンドリア集合体 / アクチビン / 情報伝達 / 体軸 / 生殖質 |
Research Abstract |
これまでの研究により、中胚葉誘導因子として働くアクチビンが、受精前後の卵中にすでにタンパク質として存在していること、さらにアクチビンが卵母細胞へ取り込まれることを明らかにしてきた。この時、アクチビンはフォリスタチン及びビテロゲニンと複合体を形成し、卵黄顆粒へと運搬されることが示唆されたが、アクチビン単独での卵母細胞内へ取り込みも見られた。そこでアクチビン受容体の卵母細胞での局在を調べた結果、ツメガエル卵母細胞内のミトコンドリア集合体(バルビニア小体)と呼ばれる構造に受容体の局在がみられた。卵母細胞内のミトコンドリア集合体は卵形成過程を通じて卵核胞近辺から卵の植物極の表層に移動する。この場所には受精後に背側の位置情報を担う背側決定因子、将来生殖細胞になる生殖質などが存在することが知られているが、ミトコンドリア集合体とこれらの機能の関係は不明である。ミトコンドリア集合体には、ミトコンドリア、小胞体、核由来物質などが存在することが知られている。凍結切片を用いた抗アクチビン受容体IB抗体による免疫電子顕微鏡法による観察の結果、ミトコンドリア上ではそのシグナルが見られず、滑面小胞体にシグナルが見られた。このことから、アクチビン受容体はミトコンドリア集合体にある小胞体に存在することがわかった。そこでアクチビン情報伝達系が機能しているか調べるため、メディエーター分子として知られるSmadに対する抗体を作成し、その局在を調べてたところ核小体にそのシグナルが見られた。これらのことより、アクチビン情報伝達系が卵母細胞内で機能している可能性が示唆される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fukui,A.,Kishida,S.,Kikuchi,A.,Asashima,M.: "Effects of rat Axin domains on axis formation in Xenopus embryos."Dev.Growth.Differ.. 42(5). 489-498 (2000)
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[Publications] Eisaki,A.,Kuroda,H.,Fukui,A.,Asashima,M.: "XSIP1, a member of two-handed zinc finger proteins, induced anterior neural markers in Xenopus laevis animal cap."Biochem. Biophys. Res. Commun.. 271(1). 151-157 (2000)
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[Publications] Onuma,Y., Nishihara,R.,Takahashi,S.,Tanegashima,K.,Fukui,A.,Asashima,M.: "Expression of the Xenopus GTP-binding protein gene Ran during embryogenesis."Dev.Genes Evol.. 210(6). 325-327 (2000)
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[Publications] Sakamoto,I.,Kishida,S.,Fukui, A.,Kishida,M.,Yamamoto,H., et al.: "A Novel β-catenin binding protein inhibits β-catenin-dependent Tcf activation and axis formation."J.Biol.Chem.. 275(42). 32871-32878 (2000)
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[Publications] Kadoya,T.,Kishida,S.,Fukui,A.,Hinoi,T.,Michiue,T.,: "Inhibition of Wnt signaling pathway by a novel Axin-binding protein."J.Biol.Chem.. 275(47). 37030-37037 (2000)
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[Publications] Cheong,S.W.,Fukui,A.,Asashima,M.,Pfeiffer,C.J.: "Spontaneous Thyroid-containing Teratoma Associated with Impaired Development in the African Clawed Frog, Xenopus laevis."J.Comp.Pathol.. 123(*/*). 110-118 (2000)