2000 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス形成過程におけるPSD蛋白質Cupidinの機能-シナプス形態へ影響
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12780573
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
白石 陽子 理化学研究所, 分子神経形成研究チーム, 研究員 (50311345)
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Keywords | Cupidin / 繊維状アクチン / グルタミン酸受容体 / drebrin / 細胞内カルシウム / 後シナプス肥厚部 / シナプス形成 / 小脳初代培養 |
Research Abstract |
後シナプス肥厚部(PSD)蛋白質であるCupidin(別名Homer2a/vesl2Δ11)は、小脳グロメルルスのシナプス形成時期に一過性に発現することから、シナプス形成におけるCupidinの生理的役割を検討することを目的とし、シナプスが形成される初期における前シナプスからの入力刺激を想定し、小脳初代培養系細胞にグルタミン酸を投与しCupidinに対する影響およびCupidinと相互作用する蛋白質への影響を検討した。得られた主な結論として、(1)グルタミン酸刺激によりCupidinは刺激後1分という早い応答性で拡散移動し、Cupidinが結合する細胞骨格因子関連蛋白質の繊維性アクチンやdrebrinの拡散に先行する。またCupidinと複合体をなすNMDARやPSD95はグルタミン酸刺激前にはCupidinと共に局在するが、刺激による拡散は伴わない。(2)Cupidinの拡散には、NMDARの活性化により誘導される細胞内カルシウムの上昇が必須である。(3)Cupidinはグルタミン酸刺激により拡散した後、calcineurinにより脱リン酸化される。ということが明かとなった。近年、後シナプスはグルタミン酸受容体の興奮により形態変化が誘導されることが多数報告されており、(1)の結果はCupidinが後シナプスの形態変化の引き金になる可能性を示唆しており興味深い。さらに、Cupidinの変異体であるCupidin/N(活性型Cdc42結合領域欠損タイプ),Cupidin/C(アクチン・drebrin・mGluR結合領域欠損タイプ)を海馬初代培養神経細胞に強制発現させると、後シナプスの形態に影響がでており、今後はCupidinと結合する蛋白質群との相互作用が、どのように後シナプス形態変化誘導への情報伝達に関わるのか解析する計画である。
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