2001 Fiscal Year Annual Research Report
sec遺伝子による新たなシナプス伝達制御機構の解明
Project/Area Number |
12780581
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 真市 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90272955)
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Keywords | sec10 / sec15 / sec5 / Exo70 / Caenorhabditis elegans |
Research Abstract |
新たなシナプス伝達機構の探索を目的として、小胞の形質膜結合に関与すると推定されるSec関連遺伝子の線虫ホモログ、Sec10, 15, 5及びExo70遺伝子をクローン化した。RT-PCR及びC. eleg ans cDNAライブラリーからSec10 cDNAは1,980bp、Sec5 cDNAは2,660bp、Exo70 cDNAは1,900bpのほぼ全長のcDNAクローンを得た。Sec15 mRNAはノーザンブロット解析から5.3, 3.8, 2.9, 1.7と1.1kbの少なくとも5つが確認されたが、スクリーニングの結果3'領域の異なるクローンがこれまでに11種存在することを突き止めた。これらはAからGのグループに分類された。しかしながら、5.3kbに相当するcDNAクローンは得られていないため、5'及び3'RACE法によるクローニングを試みている。 Sec関連遺伝子の発現を調べるため、プロモーター領域を含むそれぞれのゲノムDNA断片をGFPをレポーター遺伝子として持つ発現ベクターに組み込み、マイクロインジェクションにより導入し、トランスジェニック線虫で遺伝子局在を調べた。いずれのSec関連遺伝子共に神経系と腸に局在が見られた。特に、神経系ではmotor neuronと一部の頭部神経細胞で発現が見られ、これら遺伝子は神経特異的なunc-18, unc-64遺伝子の局在と極めて類似していた。このことからSec関連遺伝子はシナプス前終末で機能していると推定され、シナプス小胞の分泌に深く関わっていると示唆された。 さらに、これら遺伝子の機能を調べるため無細胞系タンパク質発現系によりSEC10とUNC-18タンパク質を発現させ、結合能を調べた。弱いながらも両者は結合したことから、SEC10はシナプス前終末で機能し、UNC-18を介したシナプス伝達機構に関連すると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yokoyama, K et al.: "Extension of life span of Caenorhabditis elegans by over-expression of Hsp70"FEBS Letters. (2002)
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[Publications] Harada, S et al.: "Effects of High ELF Magnetic Fields on Enzyme-Catalyzed DNA and RNA Synthesis in vitro on a Cell-Free DNA Mismatch Repair"Bioelectromagnetics. 22(4). 260-266 (2001)
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[Publications] Miyakawa, T et al.: "Exposure of Caenorhabditis elegans to Extremely Low Frequency High Magnetic Fields Induces Stress Responses"Bioelectromagnetics. 22(5). 333-339 (2001)
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[Publications] 石森隆行 等: "交流磁会暴露による線虫C. elegans hsp-16遺伝子への影響"日本応用磁気学会誌. 251159-251161 (2001)