2000 Fiscal Year Annual Research Report
IL-1レセプターアンタゴニストノックアウトによる慢性関節リウマチモデルの作製
Project/Area Number |
12780623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宝来 玲子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20313091)
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Keywords | IL-1レセプターアンタゴニスト / ノックアウトマウス / 関節炎 / 自己免疫 / リウマチ |
Research Abstract |
代表者らが作製したIL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1ra)ノックアウト(KO)マウスは、自己免疫性の慢性関節炎を自然発症する。このことは、IL-1システムの制御が破綻することにより自己免疫疾患が誘導されることを示唆する。本研究では、IL-1ra KOマウスの慢性関節炎発症機構を解明することを目的とし、免疫担当細胞、炎症性サイトカイン、遺伝的因子の役割について検討した。 1.自己免疫起因性免疫担当細胞の同定 骨髄細胞の移入実験により、IL-1ra KOマウスの骨髄由来細胞が関節炎の発症に関与すること、正常マウスの骨髄由来細胞が発症を抑制することがわかった。また、ヌードマウスヘのIL-1ra欠損T細胞の移入実験により、T細胞の異常が関節炎の発症の原因となると考えられた。 2.炎症性サイトカインの役割 IL-1ra KOマウスの関節で発現が亢進しているTNFα、IL-6について、それぞれを欠損するIL-1ra KOマウスを作製し、TNFα欠損が関節炎を強く抑制することがわかった。 3.遺伝因子の解析 IL-1ra KOマウスの関節炎はBALB/cとC57BL/6の背景において発症率が異なることから、遺伝背景の影響を検討した。主要組織適合性複合体(MHC)の関与について、MHC遺伝子部分のみが異なるBALB.B及びB10.D2/nに戻し交配し、発症率への影響を調べた結果、このマウスにおける関節炎の発症はMHCに依存しないことが示唆された。 以上の結果から、IL-1ra KOマウスの慢性関節炎は、T細胞性自己免疫であり、発症にはTNFα等の炎症性サイトカインが深く関わることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Horai,R.: "Development of chronic inflammatory arthropathy resembling rheumatoid arthritis in IL-1 receptor antagonist-deficient mice."J.Exp.Med.. 191. 313-320 (2000)
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[Publications] Tanaka,J.: "Lipoplysaccharide-induced HIV-1 expression in transgenic mice is mediatied by tumor necrosis factor-alpha and interleukin-1, but not by interferon-gamma nor interleukin-6."AIDS. 14. 1299-1307 (2000)
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[Publications] Yamada,H.: "Protective role of interleukin-1 in mycobacterial infection in IL-1 α/β double-knockout mice."Lab.Invest.. 80. 759-767 (2000)
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[Publications] Morita,Y.: "Caspase-2 deficiency rescues female germ cells from death due to cytokine insufficiency but not meiotic defects caused by Ataxia Telangiectasia-mutated (Atm) gene inactivation."Endocrinology,. (in press).