2001 Fiscal Year Annual Research Report
光熱変換分光法による生体情報計測のためのマイクロフォンの試作
Project/Area Number |
12780638
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
和田森 直 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (60303179)
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Keywords | 光熱変換分光法 / 光音響分光法 / PAS / 生体情報計測 / マイクロフォン / 生化学物質 / in vivo / グリコヘモグロビン |
Research Abstract |
本研究は、光熱変換分光法を応用した深部生体情報計測法の確立を目指し、生体の光熱変換信号の特性を考慮したマイクロフォンの設計、試作を目的としている。 従来、脈拍や環境雑音の影響を抑えるためマイクロフォンと試料間に共鳴管を設けた構造の生体用光熱変換信号検出装置(セル)が検討されている。本研究室でも、ヘルムホルツ型の共鳴管を用いたセルによる深部生体情報計測を試みてきた。 平成12年度までに、回転楕円形状の共鳴管を設けたセルを提案し、試作・検討を行った。以下に、主な項目を示す。 (1)コンピュータ・シミュレーションによる音響解析 (2)回転楕円型生体用セルの試作、性能評価 (3)グリコヘモグロビンを対象とした基礎実験 本年度は、平成12年度の成果を踏まえて、生体計測のモデル実験として、二層生体モデルを用い、グリコヘモグロビンを対象とした濃度計測実験を行った。以下に、主な成果を示す。 (1)反射光・散乱光対策用キャップの試作 実際に、生体計測を行った際に、照射した励起光による生体からの反射光及び生体内部から後方散乱光により雑音が発生することを確認した。その対策として、光ファイバの先端にキャップを装着することにより、雑音を低減することができた。 (2)グルコヘモグロビンを対象とした二層生体モデル実験 グルコヘモグロビンを対象とした二層生体モデル実験結果より、本生体用光熱変換分光装置が検出限界は約4%程度、定量限界は約3%程度であることを確認した。 以上の成果から、本研究の目的である生体の光熱変換信号を考慮したマイクロフォンを設計、試作し、本システムを用いて、臨床応用できる目処がっいたと考える。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 和田森 直 他1名: "光熱変換分光法による生体情報計測のためのマイクロホンの試作"第21回日本ME学会甲信越支部大会論文集. 11-12 (2001)
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[Publications] 山本 光穂 他5名: "光熱変換分光法の高感度化に関する研究"平成13年度電子情報通信学会信越支部大会講演論文集. 297-298 (2001)
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[Publications] 和田森 直: "光熱変換分光法による生体機能情報の計測"日本サーモロジー学会第17回大会(第32回集会)抄録・論文集. 20・1. 1 (2000)
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[Publications] 本吉 順一 他3名: "マルチ光源を用いた光熱変換分光法による生体計測"平成12年度電子情報通信学会信越支部大会講演論文集. 283-284 (2000)
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[Publications] 大和田 寛 他2名: "Arレーザ光源を用いた光熱変換分光法による生体計測"平成12年度電子情報通信学会信越支部大会講演論文集. 285-286 (2000)