2000 Fiscal Year Annual Research Report
ポリペプチドを成分とするポリイオンコンプレックスを用いた酵素複合体の開発と評価
Project/Area Number |
12780646
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森本 惠治 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (20239693)
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Keywords | polyelectrolyte complex / poly (glutamic) acid / partially acetylated chitosan / enzyme activity / α-helix / circular dichroism / drug delivery / microcapsule |
Research Abstract |
ポリイオンコンプレックス(PIC)を形成する成分ポリマーとして,ポリアニオンにはポリ-L-グルタミン酸(PLGA)を,ポリカチオンには部分アセチル化キトサン(PAC)を選択した.PLGAはNCA法により異なる分子量の試料を合成し,またPACは脱アセチル化度が49%の試料を用いた. まず選択した成分ポリマー間のPICの形成に対してpHなどの条件が及ぼす影響を調べた.PICの分子鎖コンホメーションの評価方法としては円偏光二色性(CD)測定を行い,主に222nmの吸収ピークから算出されるモル楕円率[θ]_<222>をα-ヘリックス含率の尺度として用いた.PLGAとPACの組成比が異なるPICに対してのCD測定の結果を,PLGAおよびPAC単独の結果と比較したところ,PLGAの組成が10〜40mol%のPICにおいてPLGA単独の場合よりも低いpHにならないとPIC中におけるPLGA分子鎖がα-ヘリックスを形成していないことが明らかとなった.しかしながら,そのような変化が見られたPLGAの組成比が低いPICにおいても,pHが低い条件下でα-ヘリックスの形成が確認されたことから,pH変化に応答したPLGAのコンホメーション変化を利用した物質透過能や表面物性変化などの制御系の構築が可能であると考えられる.予備的な実験としてPIC膜からなるカプセルを調製し,内包物質の放出挙動に対する膜厚やpHの影響を調べたところ,高分子内包物のモデルとしてウシ血清アルブミンを用いた場合において顕著な放出制御が見られた.
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Research Products
(1 results)