2000 Fiscal Year Annual Research Report
術中の臓器変形を反映したデータフュージョンによる術中支援システム
Project/Area Number |
12780650
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
服部 麻木 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90312024)
|
Keywords | データフュージョン / 術中支援 / 臓器変形 / リアルタイムイメージング / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
1.実空間における臓器変形のCGによる再現 本研究では、術前にMRIもしくはCTのデータから、予め臓器の3次元画像を構築しておき、術中にリアルタイムに得られる限られたデータから臓器の状態を再現することとした。変形の指針には、3つのCCDカメラから非接触に肝臓の表面形状の3次元的なデータを取得する三次元形状計測装置および、本装置で取得不可能な背面の情報を取得するために、3次元位置センサを用いることとした。これらのデバイスからリアルタイムに得られる情報を用い、肝臓のCGを内部の脈管構造ともども3次元再構築し、術者の視野に融合させようと試みた。 2.仮想空間と実空間の融合 本研究では、術中に術者の負担となることなく、その視野に3次元画像と実像を融合するためのデバイスとしてFloating Windowを開発した。Floating Windowは、術者の視点と実際の術野の間におかれ、容易に移動可能なスクリーン上にCGにより表現された3次元再構築像を表示し、術者がそのスクリーンを通して、実際の術野と重ね合わせて見ることを可能とするデバイスである。これにより、CGによって提供される仮想空間と実際の実空間をhead mount display等の装置なしに融合させることを可能とした。またCGを3次元的に見ることができるように、ステレオ表示も可能とした。 3.臨床への適用 本システムは、臨床の場で用いることを目標としている。そこで、これらのシステムを実際の臨床の場へ持ち込むことにより、臨床の場ならではの問題も克服しようと努めている。また、臓器変形に関しては、実際にブタを開腹し、そのときの肝臓の変形をCG上で表現する試みを行っている。これらの実験を通して、臨床の場における問題点の克服、誤差の定量的な解析を行い、精度を高め、実際の臨床の場で用いることができるよう、システムの向上に努めている。
|