2002 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気性菌による未利用糖質資源からの水素エネルギー生産
Project/Area Number |
12794004
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大宮 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60023488)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅田 修一 三重大学, 生物資源学部, 講師 (90233999)
木村 哲哉 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00281080)
粟冠 和郎 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20154031)
三島 隆 三重大学, 生物資源学部, 助手 (40314140)
|
Keywords | 固形残渣 / エビ殻 / Clostridium paraputrificum / 水素ガス / ホスト・ベクター系 / 燃料電池 / 2槽式発酵槽 / メタン |
Research Abstract |
本研究では「愛知県・名古屋市地域結集型共同研究事業」の内の「固形残渣の再利用技術の研究開発」を連携推進するために、嫌気性細菌Clostridium paraputrificum M-21の分子生物学的機能改良と培養条件の最適化を検討し、固形残渣の一つである「エビ殻」を「水素ガス」に効率よく微生物変換することを目指した。主な研究成果を次に示す。 1.三重大キャンパス土壌から単離した(C.paraputrificum M-21はエビ殻の主成分であるキチンを分解して水素を生産する機能を有する。本菌はキチン構成糖であるN-アセチルグルコサミンを炭素源とする場合は細胞分裂時間が30分という短時間で増殖し、水素を2l/10g、N-アセチルグルコサミンを生成する。今年度はこの能力を遺伝子組換えによりさらに向上させた。 2.前年度に確立したホスト・ベクター系を用いてC.paraputrificumに遺伝子を導入し、キチナーゼやヒドロゲナーゼを強化し、キチン分解能や水素ガス生成能を強化し、水素生産効率を3mol H2/mol glucoseまで高めた。 3.本菌が生成したガス(水素ガス:炭酸ガス=65:35)を燃料電池に供給しプロペラを回転させることができた。 4.水素発酵槽とメタン発酵槽からなる2槽式発酵槽を試作し、水素生成にはpH6が、メタン生成にはpH7が適していることを見出した。 5.水素発酵とメタン発酵を併用することにより、固形残渣のガス化が促進された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Li, H., Morimoto, K., Katagiri, N., Kimura, T., Sakka K., Ohmiya, K.: "A novel b-N-acetylglucosaminidase of Clostridium paraputrificum M-21 with high activity on chitobiose"Appl Microbiol. Biotechnol. 60. 420-427 (2002)
-
[Publications] 久保さつき, 森本 兼司, 田口 秀典, 菊田 琢磨, 木村 哲哉, 粟冠 和郎, 大宮 邦雄: "微生物遺伝子を利用したバイオマスの有効利用"三重大学生物資源学部紀要. 30. 115-121 (2003)
-
[Publications] Ohmiya, K., Sakka, K., Kimura, T., Morimoto, K.: "Application of Microbial Genes for Biomass Utilization and Environmental Conservation"J. Biosci. Bioeng.. (in press). (2003)