2000 Fiscal Year Annual Research Report
表面抵抗を持つ有孔電磁シールド材の電磁波遮蔽に関する研究
Project/Area Number |
12831005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉富 邦明 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (30150501)
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Keywords | 電磁遮蔽 / 抵抗膜 / 表面インピーダンス |
Research Abstract |
表面抵抗を持つグランド板は板の厚さが表皮の深さよりも薄い場合は抵抗膜、厚い場合はインピーダンス板としてモデル化できる。今回の研究では、まず、抵抗膜に開けたスロットによる平面電磁波の散乱を抵抗膜境界条件を用いて定式化した。その結果、グランド板が抵抗膜であっても、完全導体グランド板の場合と同様に、散乱界はスロット開口の電界分布によって表現できることが判明した。数値解析によって、スロットで共振現象が生じるのは抵抗膜の抵抗値がある値以下であることが判明した。また、市販の数種類の抵抗膜の抵抗値を測定した結果、これらの抵抗膜の抵抗値はスロットが共振現象を示さない範囲のものであることが分かった。抵抗膜は電磁波を遮蔽することを目的として使用されるが、上記のことから、ある値以上の抵抗値を持つ抵抗膜は、スロット状の破損箇所があってもそれが共振現象による遮蔽効果の低減を引き起こすことはないことが分かった。 インピーダンス板に開けたスロットによる平面電磁波の散乱は定式化を行ったのみであり、数値解析は現在検討している状況である。 平成13年度は、スロット開口以外の開口について、表面抵抗を持つシールド材の遮蔽効果を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)