2001 Fiscal Year Annual Research Report
地中における電磁波の環境測定とその伝搬特性に関する研究
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12831008
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Research Institution | Kyoto Sangyou University |
Principal Investigator |
筒井 稔 京都産業大学, 工学部, 教授 (10026172)
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Keywords | 地中電磁波環境測定 / 地中電磁波伝搬特性 / 電磁波検出センサーの開発 / 地中媒質の電気的パラメータ / 地中起源の電磁波励起 / 地震関連現象 |
Research Abstract |
(1)本学構内に構築した直径10cm、深さ100mのセンサー挿入用の坑井内に、本研究室で開発してきたセンサーを挿入して観測研究を続けてきた結果、平成12年の6月から9月にかけて多くの電界パルス群を突き止めた。これら電界パルス群は地球に起源を持つ事が明らかになった。 (2)「平成12年7月から10月にかけて北陸から西のプレートが東に1cmも移動した」事が国土地理院から発表され、本学で検出していた地中起源の電界パルスは正にこの期間に一致しており、状況が極めて良い一致をしており今後の研究が期待される。 (3)地中媒質の電気的パラメータと背景の電界雑音の強度との関係を調べるために、特殊な測定アンテナを開発し、地下の導電率・誘電率の深さ依存性と明らかにした。特に、岩盤層内では誘電率が深さと共に増加している事が明らかにした。 (4)地中の電界雑音強度を測定したところ、センサーが岩盤層内に入ると、その強度は深さと共に増加している事を確認し、「地球起源の電界雑音は誘電率の高い岩盤層内で励起され、それ程減衰することなく岩盤内を伝搬している可能性がある」という極めて興味深い結論を得た。 (5)これらの成果は、GRLにより発表予定(印刷中)である。 今後10年間の優先研究計画を策定するための、「地球電磁気学将来計画シンポジウム」(3月)で発表し、本研究の重要性とその推進を訴えた。 5月に行われる「地球惑星科学関連学会合同大会」及び8月にオランダで開催される「国際電波科学連合」の総会でも発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 筒井稔: "地中電磁波測定用電界センサーの開発-同軸直線型ダイポールセンサー-"京都産業大学 計算機科学研究所所報. 17-2. 1-18 (2001)
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[Publications] M.Tsutsui: "Detection of earth-origin electric pulses"Geophysical Research Letters. (in press). (2002)