2000 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病への経頭蓋連続磁気刺激の効果に関する運動学的解析
Project/Area Number |
12832001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中馬 孝容 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70281805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞野 行生 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20145882)
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Keywords | 経頭蓋連続磁気刺激 / パーキンソン症候群 / 中枢性変性疾患 / prefrontal領域 |
Research Abstract |
経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、さまざまな中枢性変性疾患やうつ病の患者に試みられている。円形コイルを用いて前頭葉を広く刺激を行っている施設が多いが、これだと広範囲に脳を刺激することになり、脳の局所的な刺激を行うことでの臨床症状への影響を検討することは難しい。そこで、われわれは、8の字コイルを用いることで、脳を局所的に刺激を行い、それにより、第1次運動野にどのような影響を与えるかについて検討した。 対象はパーキンソン症候群7名で、男性1名女性6名で、平均年齢56.4±8.1歳である。疾患はパーキンソン病4名、若年性パーキンソニズム2名、線条体黒質変性症1名である。方法は、インフォームドコンセントを得た上で、被検者を安静座位にさせ、症状の強い側の短母指外転筋に記録電極を設置した。8の字コイルを用いて、120%motor thresholdの刺激強度でprefrontal領域に0.3Hz、30回のrTMSを施行した。rTMSの前後にて短母指外転筋のmotor threshold、silent period、MEPのmappingを測定した。また、rTMS施行中は、ビデオ、短母指外転筋の表面筋電図、脳波によるモニターを施行し、副作用の出現の有無に注意しながら、安全性を確認してrTMSを行った。 結果は、全例において、rTMS投与後の第1次運動野における短母指外転筋においてMEPの振幅の増大がみられた。短母指外転筋のmotor threshold、silent periodの著変は認めなかった。臨床症状としては、7名中4名に固縮の軽減が認められ、7名中3名に歩容の改善がみられた。自覚的には7名中6名に歩きやすいという所見が認められた。 以上より、prefrontal領域への局所的なrTMSは運動系への効果が推測された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takayo.Chuma: "Electrophysiology and Kinesiolosy The effects of repetitive transcranial magnetic stimulation in Parkinson syndrome"MONDUZZI EDITORE. 169-171 (2000)
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[Publications] Takayo.Chuma: "Electrophysiology and Kinesiolosy Silent period in spinocerebellar degeneration and Pakinson's disease"MONDUZZI EDITORE. 387-390 (2000)