2000 Fiscal Year Annual Research Report
関節運動および不動化が実験的異所性骨化におよぼす影響
Project/Area Number |
12832022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河村 守雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (30186150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60167351)
猪田 邦雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (10115529)
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Keywords | 実験的異所性骨化 / 骨形成因子 / 強制他動運動 / 関節不動化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リハビリテーション医学や整形外科学領域において著しく治療の障害になる異所性骨化の発症原因や病態の解明のために、粗製骨形成因子をマウスの大腿四頭筋内に移植して実験的異所性骨化モデルを作成し、さらにその関節に強制他動運動や不動化の負荷を与え、新生骨化量におよぼす影響を見るものである。マウスは強制運動群、関節不動化群、自由運動群の3群に分けた。強制運動群のマウスには持続的他動運動装置(CPM装置)にて、それぞれ1日20分の膝関節強制屈伸運動を21日間にわたり負荷し、運動以外の時間帯はギプス固定とした。関節不動化群は21日間の膝関節・股関節ギプス固定のみとした。移植後21日目にsoftex撮影にて異所性骨化の状態を確認し、新生骨部を周囲の筋組織とともにサンプリングし、それを1000℃・一時間で焼灼することにより灰分重量を測定した。今までの実績にて強制他動運動群、関節不動化群、自由運動群の順で新生骨形成量が多い傾向にあることが判明している。とくに強制他動運動群と関節不動化群の間には有意な骨形成量の差が認められた。強制他動運動群の運動負荷時期を早期・中期・後期の3期に分けて骨形成量を調べたが有意差は得られなかった。病理組織標本を作製して、組織学的検討も行った。移植1週目の標本ではいずれの群においても、移植された骨形成因子の周囲の筋組織に筋管細胞(myotube)や幼若線維性組織が認められ、筋組織の脱分化が進んでいることが示された。移植2週目では他動運動群に小出血巣や血管増生を認めた。今後n数を増加させることにより、これらの事象を確証する予定である。
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