2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳硬塞症の長期予後に基づく臨床病型分類と再発防止に関する研究-山陰脳卒中登録システムの構築とその効果-
Project/Area Number |
12832026
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
古和 久典 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (30284003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真伸 鳥取大学, 医学部・附属病院, 医員
中島 健ニ 鳥取大学, 医学部, 教授 (70144673)
中野 俊也 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (00294322)
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Keywords | 急性期脳梗塞 / 前向き予後調査 / 穿通枝梗塞 / 臨床疫学 / 頚動脈超音波検査 |
Research Abstract |
本邦において脳梗塞は要介護者の主要因の一つであるが,その再発を適切に予防し要介護者を減らすことが患者自身の幸福と医療費の軽減のために重要な課題であると考えられる.そのために,本年度は前年度に引き続き脳梗塞症の予後に基づいた臨床病型分類と再発予防について以下の項目について検討を行なった. 【脳梗塞患者情報収集】急性期脳梗塞症例の登録システムとして登録事務局を大学に置き、専用の登録用紙に必要最小限の事項を各施設から事務局へ送信し,その後大学担当者が定期的に各病院を訪問し,詳細な患者情報を細部にわたり収集,データベース化するシステムを使用した.登録参加病院は鳥取大学医学部附属病院および山陰各地の市中病院の中で神経内科医が常勤する,公立八鹿病院,鳥取県立中央病院,鳥取赤十字病院,鳥取県立厚生病院,野島病院,山陰労災病院,博愛病院,済生会境港総合病院,松江市立病院,松江赤十字病院,広瀬病院,島根県立中央病院,国立浜田病院である.本年度は現在までに763例の脳梗塞患者の登録を完了した.また本研究においては従来ラクナ梗塞と一括されていた症例の中に心血管病変を有するものが含まれていることが明らかとなり,穿通枝梗塞の登録症例を重視している.穿通枝梗塞例は344例の登録を完了し,可能な限り頚動脈超音波検査でのプラーク病変の有無について検討を行なった.その結果,前年度同様、ラクナ症候群を呈した症例が呈さない症例よりも脳梗塞病変の大きさが小さい傾向にあり,頚動脈超音波検査でのプラークを有する頻度が病変の大きさが大きいほど高頻度となる傾向であった.脳梗塞発症1年後の追跡調査では132例の登録と解析を完了した.このうち,穿通枝梗塞は42.4%であった.登録症例全体の再発率は18.2%で,初回病変の大きさが大きい程,再発率も高くなる傾向にあった. 来年度の研究実施計画としては本年度と同様,脳梗塞患者登録システムを利用し,登録参加病院から患者情報収集を引き続き行なう.さらに登録された脳梗塞患者の予後調査として脳梗塞発症後1年,2年,3年と追跡調査を行ない再発の有無を検討する.再発が確認された症例に関しては初回発作と同様の項目を調査し情報を収集し,各臨床病型に対する再発率を検討する.
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