2001 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の単独歩行を支援するための装置に関する研究
Project/Area Number |
12832056
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
曲谷 一成 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (00181610)
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Keywords | 視覚障害者 / 赤外線標識 / 単独歩行 / ナビゲーション / DGPS |
Research Abstract |
視覚障害者の単独歩行を支援する装置として、障害者を目的地まで誘導するための装置の開発研究を行った。障害者を誘導するためには障害者がいる位置を正確に把握する必要があるが、ここではこの位置把握のためにDGPSを利用した屋外用の誘導装置、および赤外線標識を利用した屋内用誘導装置を試作し、さらに被験者を用いた誘導実験を行いシステムを評価した。 DGPSを用いた誘導装置について、今年度は主に試作した誘導装置の制御プログラムについて研究を行った。先ず、DGPSを利用し東海大学校内のディジタル地図を作成した。すなわち校内の校舎入口および交差点の位置をDGPSにより取得(一地点当たり1時間計測しその平均値を位置とした)し、これらの位置の接続状況を表すデータベースを構築した。次に単なる最短経路ではなく、視覚障害者に取って安全な誘導経路を算出するためのアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは基本的にはダイクストラ法を用いるが、視覚障害者にとって危険と思われる道路に重みをつけることにより、たとえ歩行距離が長くなってもより安全な道が誘導経路として選択されるものである。 赤外線標識を用いた誘導装置では、視覚障害者が持った誘導装置が特定の場所に設置された赤外線標識からの信号を受信することで障害者の位置を知り、音声により道案内を行う。複数のロービジョンの被験者により誘導実験を行い、その使用感についてインタビューを行ったところ、(1)既知の場所では全ての標識に対する音声案内は必要ない。(2)全般的に音声案内が長すぎ、案内の焦点がボケてしまう。といった指摘が多かった。この結果に基づき以下の改良を行った。(1)誘導装置をオンデマンドタイプに改良した。すなわち、標識の下に利用者が来た場合特定のビープ音を鳴らし、利用者に道案内できる地点にいることを知らせる。利用者はこの地点で必要に応じて誘導装置の押しボタンを押すことにより道案内を聞くことができる。(2)歩行訓練士と協議しながら、複数の道案内を作成した。現在、視覚障害者を被験者とした実験により、どのような道案内が良いかの確認を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 曲谷一成: "赤外線標識を用いた視覚障害者誘導システム"医用電子と生体工学. 39・特別. 293 (2001)
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[Publications] 曲谷一成: "赤外線標識を利用した視覚障害者誘導システム"ロボティクス・メカトロニクス講演会'01講演論文集. 01-4. 1A1-N6 (2001)
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[Publications] Kazushige Magatani: "Development of the navigation system for the visually impaired by using optical beacons"23rd Annual International Conference of the IEEE EMBS Proceedings on CD-ROM. (2001)
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[Publications] Kazushige Magatani: "The development of the navigation system for visually impaired persons"23rd Annual International Conference of the IEEE EMBS Proceedings on CD-ROM. (2001)