2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12832066
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 睦 産業医科大学, 医学部, 講師 (70248590)
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Keywords | 骨格筋 / 筋電図 / 上腕三頭筋 / パワースペクトル解析 / 筋持久力 / 脊髄損傷 / 車いすマラソン |
Research Abstract |
本年度は上腕三頭筋を被検筋として、健常者5名(平均年齢28.0歳)と日常生活動作の自立した脊髄損傷対麻痺者8名(平均年齢27.5歳)を対象に、まずKIN-COMを用いて等尺性最大筋力を測定し、測定値の再現性や被検筋の左右差などを検討した。被検筋としてふさわしいと判断した者を対象として、Mega Electronics社製ME3000P筋電計を用い、最大等尺性筋収縮の50%の負荷を可能な限り持続させ筋電波形を導出した。中心周波数(median frequency ; MF)や平均パワー周波数(mean power frequency ; MPF)の経時的変化を求めた。 健常者では筋出力の再現性は良好であり、左右差も20%を超すものはいなかった。脊髄損傷者では再現性や良好であったが、明らかな左右差を認めるものがおり、その2名を除外した。最大筋力は健常者で平均43.2±8.8Nm、脊髄損傷者で平均41.6±9.3Nmであり、両群間に有意差はなかった。筋力と中心周波数、平均パワー周波数の減少率は相関がなかった。周波数減少率は健常者でMF-23.3±10.6,MPF-24.1±9.6%/min、脊髄損傷者ではそれぞれ-22.3±8.2、-21.2±6.4%/minであり、両群間に有意差はなかった。また、一定の筋力を持続させる能力(筋収縮力のぶれ)と周波数減少率は相関し、周波数減少率が低いものほど一定の筋力を保持する能力が高い傾向にあった。 これらの結果から、健常者と常時車いすを移動手段としている脊髄損傷対麻痺者の上腕三頭筋の筋特性には何ら相違はないものと考えられた。
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