2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12833002
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
富澤 伸行 岩手大学, 農学部, 助教授 (00217530)
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Keywords | 同種凍結神経移植 / 末梢神経 / シュワン細胞 / ラット |
Research Abstract |
1.凍結神経片を用いた同種神経移植後の機能回復 SDの雄ラット15頭(自家移植群12頭,同種移植群3頭)を用い,自家移植群では坐骨神経を大腿骨骨幹付近で5〜10mm切除し,この神経片を液体窒素を用いた凍結融解処理を施したのち,元の位置に戻して神経上膜縫合を行った。同種移植群では坐骨神経を大腿骨骨幹付近で6〜7mm切除し,間隙にあらかじめ凍結保存しておいたSDラットの坐骨神経を自然融解した後,移植した。術後は両群ともに6日毎に患肢の神経学的検査を行い,機能回復を評価した。 その結果,自家移植群では移植後平均110日目に,同種移植群では移植後平均74日目に肢端の浅部痛覚がほぼ回復した。 2.末梢神経再生促進のためのシュワン細胞培養 実験にはSDの雌ラット3頭を用いた。ハロタン麻酔下で坐骨神経を切断し,術後約40時間後にラットを安楽死し、切断した遠位端より末梢測の坐骨神経を無菌的にすばやく取り出し,細切した。コラゲナーゼおよびトリプシン処理後に10%FCS-DMEM-S.P.を用いて,CO_2インキュベーター(10%CO_2)で培養を開始した。培養開始後7日間は培地にAra-Cを加え,その後8〜10日間,培地にフォルスコリンを加え、細胞を増殖させた。 本実験では,培養前に坐骨神経を切断しシュワン細胞を活性化させることにより,少ないながらも有効にシュワン細胞を得ることができた。また,酵素処理のための組織片の細分化の際には,神経を細かく裂き綿状にするなどの工夫を行い,成ラットのシュワン細胞の培養に成功した。
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