2000 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な挙動のダイナミックスにおける非線形性の評価とその応用に関する研究
Project/Area Number |
12834002
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮野 尚哉 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10312480)
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Keywords | 非線形システム / 複雑系 / 局所近似 / 時系列解析 / 判別分析 |
Research Abstract |
1.実データについて、時系列予測、回帰分析、判別分析を行うことのできる局所非線形近似モデルを、Su giharaとMayによって導入された時系列予測法をベースにして構築した。この近似モデルには、計量の自動学習機能とガウス関数型カーネルへの切り替え機能を実装した。計量の学習機能は、確率的区間縮小法(Caprile-Girosiアルゴリズム)によって実現した。開発された近似モデルをC言語によりソフトウェア化し、計算機実験を行えるようにした。 2.国立医療・病院管理研究所より貸与された要介護認定および看護時間測定に関する医療・福祉データを計算機実験用に加工し、医療・福祉データベースを作成した。 3.青森放送株式会社の協力のもと、男女各2名のアナウンサーが発声する日本語母音を異なる発声条件下で録音し、wav形式、au形式、および、テキスト形式で表された音声データベースを作成した。 4.住友金属株式会社より提供された分子動力学シミュレーションデータをもとに、微視的システムの動的挙動としての固体結晶原子運動を表す時系列データベースを作成した。 5.医療・福祉データベースを利用して、回帰分析および判別分析としての要介護認定、看護必用度推定を再現する計算機実験を行った。回帰分析、判別分析におけるlocal hyper surfaceの非線形性の強さは、学習によって最適化された計量値を尺度として評価できることが明かとなった。local hyper surfaceが表す決定則あるいは時間発展のダイナミックスの複雑さは、計量値の大きさに応じて計ることができる。この知見は、ダイナミックスの非線形性を評価するための新しい手法を示唆している。また、入出力写像における出力値に相当するデータを粗視化して、回帰分析問題を判別分析問題に変換する計算機実験を行った。その結果、データの粗視化によって最適な計量値は増加し、local hyper surfaceの非線形性は強くなるが、判別精度が向上することが観測された。
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[Publications] 宮野尚哉,筒井孝子,関庸一,谷口仁志: "適応型局所非線形近似手法の要介護認定への応用"電子情報通信学会技術研究報告. CAS2000-46〜60号. 20-25 (2000)
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[Publications] 宮野尚哉,宗藤伸治,森口晃治,新谷昭: "半導体シリコン結晶における原子運動の動的不安定性"電子情報通信学会技術研究報告. NLP2000-124〜129号. 13-18 (2000)
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[Publications] 宮野尚哉,筒井孝子,関庸一,谷口仁志: "局所非線形参照による複雑なデータの判別分析"電子情報通信学会技術研究報告. NLP2000-164〜176号. 65-72 (2001)
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[Publications] T.Miyano,I.Tokuda,K.Aihara: "Nonlinear determinism in pitch fluctuations of Japanese vowels"Proceedings of 2000 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 2巻. 531-534 (2000)
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[Publications] T.Miyano,T.Tsutsui,Y.Seki,H.Taniguchi: "Classification and prediction of medical date by adaptive nonlinear local approximation technique "Proceedings of Second International Symposium on Advances in Intelligent Data Analysis. (発表予定).