2000 Fiscal Year Annual Research Report
心筋肥大因子による心筋特異的L型Ca^<2+>チャネルの機能修飾機序の検討
Project/Area Number |
12835012
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 栄一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00276247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 恵一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20199227)
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Keywords | L型Ca^<2+>チャネル / 培養心筋細胞 / リン酸化反応 / キナーゼ / 細胞ラベル / リン酸化アミノ酸分析 / ペプチドマッピング / LIF |
Research Abstract |
本年度の実験計画はLIF刺激時のin vitroおよびin vivo(培養細胞系)における電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα1サブユニットリン酸化部位の同定である。 <In vitroにおけるリン酸化部位の同定>電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα1サブユニットのC末端細胞内部分をGST-fusion proteinとして回収した。全長は難水溶なことと、以降の解析を容易にするためにα1サブユニットのcDNA plasmidから、およそ250アミノ酸相当部分に制限酵素認識部位をつけてPCRで増幅し、発現ベクターに組込んでそれぞれをfusion proteinとして回収した。LIFで刺激した培養心筋の全細胞溶解液をサンプルとし、GST-fusion proteinを基質としてゲル内キナーゼ反応をった。末端部分にはERK1/2と考えられるゲル内キナーゼ反応を認めた。Immunodepeletion法で確認したのち、想定されたアミノ酸配列に対してin vitro kinase assayを行う。 <In vivo(培養細胞系)におけるリン酸化部位の同定> 1.培養ラット胎児培養心筋を用いたin vivoリン標識を行い電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα1サブユニット全長のリン酸化アミノ酸分析を行った。LIF刺激はある条件によってMEK阻害薬で抑制されるリン酸化を引き起こすこと、さらにそのリン酸化アミノ酸はセリンであることが解った。 2.リン酸標識電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα1サブユニットのトリプシン2次元ペプチドマッピングを行ったところ、PMA刺激時とLIF刺激時とでは展開されるリン酸化ペプチドパターンが異なり、それぞれ異なるリン酸化部位であることが解った。 以上より、LIFはラット培養心筋細胞の電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα1サブユニットをリン酸化し、そのリン酸化はMEK依存性で、さらにそのリン酸化部位はC末端200-300アミノ酸の中にあることが推定された。なお交付された研究費用は全て消耗品(アイソトープ、試薬、プラスチック等)に使用した。
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