2000 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質投与によるラット雌性不妊の誘起とその機構解明に関する研究
Project/Area Number |
12836009
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
太田 康彦 鳥取大学, 農学部, 教授 (60069078)
|
Keywords | 内分泌撹乱 / ラット / 子宮 / 着床 / ホルモン受容体 |
Research Abstract |
基礎実験として、周生期の雄性ホルモン処理により春期発動期(約30日齢)以降、卵巣から少量のエストロゲンを持続的に分泌するラットを作り、この動物のが内分泌かくらん化学物質の雌性生殖機能への影響を追究する有用なモデルとなる得るかどうか検討した。 生後5日齢の雌ラットにtestosterone propionate(TP)を皮下投与し、60日齢に達した後、除卵巣した。このラットに妊娠初期を模したホルモンを投与して、子宮内膜を調べた。具体的には、3mg progesterone(P)を2-3日間連続投与、その3日目に所謂nidatory estrogen surgeを模した0.2μg estradiol-17β(NE)を投与する。各ホルモン処理後に屠殺して、免疫染色により、PRおよびERの発現を調べ、子宮のPおよびEに対する反応性を連続発情ラットと正常ラットとの間で比較した。正常ラット子宮上皮および間質細胞のPR発現は、P投与3日後でやや低下するが、投与3日目にNEを加えると、発現が回復する。これに対してTP処理連続発情ラットでは、PR発現が低下している上、NEにより上皮のPR発現が殆ど消失する。上皮および間質細胞のER発現は、正常ラットよりも連続発情ラットで高い。PRはEの誘導蛋白質であるが、内膜上皮細胞のPRはEによりdown-regulateされる。しかし、Pの十分有る環境では逆にPR発現をup-regulateする。一方、連続発情ラットでは、NEのup-regulation効果が見られず、逆にPR発現を抑えた。 連続発情ラットにおけるNEのPR発現における無効果は、P投与後における上皮ER発現が対照ラットより高いことによると思われる。連続発情ラット子宮は、Eに対してsensitiveになっており、卵巣除去後に投与したEによる上皮細胞分裂活性が対照ラットより高いことからもこの事は支持される。以上の結果から、連続発情のラットにおける妊卵着床反応の低下(脱落膜種形成能の低下)は、PおよびEに対する子宮上皮細胞の反応性の恒常的変化、特にEに依存するPR発現の変化によると結論付けることが出来、子宮における性ホルモン受容体の発現は、内分泌攪乱物質長期投与に影響を検索する指標となる得ることがわかった。現在、内分泌攪乱物質を投与して、受容体発現を検索している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yamamura,Y et al.: "Metallothionein expression in transplantable mouse mammary tumors."Anticancer Res.. 20. 397-384 (2000)
-
[Publications] Yamamura,Y et al.: "Metallothionein expression and apeplosis in pregnancy-dependent and-independent mouse mammary tumors"Anticancer Res.. (in press).
-
[Publications] Yamamura et al.: "Metallothionein expression and tumor pregression in transplantable prognancy-independent mouse mammary tumors."J.Vet.Sci.. (in press).