2001 Fiscal Year Annual Research Report
胎生および新生児期内分泌かく乱物質の乳癌発生促進作用の機序解明
Project/Area Number |
12836013
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉田 浩己 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90036476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 恭代 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70253862)
梅北 善久 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80244226)
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Keywords | Endocrine disruptor / Rat / 7, 12-dimethylbenz(a)anthracene / Mammary carcinoma |
Research Abstract |
1.非常に強力な女性ホルモン作用を有する合成ホルモンdiethylstilbestrol(DES)の妊娠期の混餌による経口大量投与は、妊娠早期(妊娠0〜21日)では流産を、妊娠後期(妊娠13〜21日)、では分娩異常(分娩困難)を引き起こした。また、新生仔期1回皮下への大量投与は、視床下部の性腺刺激機構の異常により、成育後の雄ラットに、Sertoli細胞の減少と精子低形成、雌ラットには無排卵状態などの内分泌異常を引き起こした。 2.新生仔期にDESの種々の量を投与した雌ラットへの生後50日目の7,12-dimethylenz(a)anthraene(DMBA)10mgによる乳癌の誘発を観察した結果、少量投与群では新生仔期無投与群やDES大量投与群に比較し、乳癌の発生が促進した。生後50日目の新生仔期DES(少量)投与ラットは正常排卵状態であったが、乳腺はDMBAの発癌標的部位のTeriminal end budsの数が有意に増加していた。 3.生活環境に実在し、DESの1000分の1程度の女性ホルモン作用を有する4-n-octylphenol(n-OP)を生後28日と70日目より雄ラットに種々の量、長期間混餌投与し、生後28、42、56日目に3回、DMBA,10mgを経口投与したところ、n-OP非投与群と比べ、極めて大量投与群のみで乳癌の発生が促進した。 4.種々の量のn-OPを雌ラットへ生後24時間内に1回のみ皮下投与したが、排卵異常などの内分泌のかく乱やDMBAによる乳癌の誘発への影響はみられなかった。 これらの結果より、オクチルフェノール単独では、極めて大量の長期間暴露でなければ、内分泌をかく乱し、乳癌の発生を促進しないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)