2000 Fiscal Year Annual Research Report
油糧種子タンパク質の改質による未利用タンパク質の資源化
Project/Area Number |
12839006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安達 基泰 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60293958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 伸之 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90303908)
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Keywords | クルシフェリン / グリシニン / 高次構造 / 加工特性 / 形質転換植物 |
Research Abstract |
1)クルシフェリンのcDNAクローニングと大腸菌発現系の構築:ナタネ登熟期種子より調製したmRNAからRT-PCRによってクルシフェリンcDNAをクローニングした。pET-21dを用いて、発現プラスミドを構築し、発現条件を種々検討することにより、プロクルシフェリンを全菌体タンパク質の15%のレベルで可溶性の状態で発現させることに成功した。 2)クルシフェリンの大量発現、精製、結晶化と高次構造の解析:大腸菌で発現させたプロクルシフェリンを硫安分画及びQ-セファロースカラムクロマトグラフィーにより、95%のpurityで精製した。この標品に関して、種々の条件下で結晶化を試みたが、良質の結晶は得られなかった。そこで、グリシニンの構造データーに基づくホモロジーモデリングによって、クルシフェリンの構造をシュミレートした。さらに、クルシフェリンの加工特性改良のために、11Sグロブリンの一次構造から推定される可変領域の除去や遊離SH基の削除などの改造を行うとともに、消化性改良のために、立体構造に基づいて塩結合に関する残基の変換も行った。 3)ダイズグリシニンを高集積するナタネの作出:グリシニンの遺伝子をアグロバクテリウム法を用いて芽生えの胚軸に感染させ形質転換ナタネの作出を試みたが、得られた形質転換体の数が少なく、種子も形成しなかった。そこで、形質転換法を変更し、子葉柄に感染させる方法を用いることにより、多くの形質転換体を得ることができた。現在、植物体を再生中である。
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