2001 Fiscal Year Annual Research Report
油糧種子タンパク質の改質による未利用タンパク質の資源化
Project/Area Number |
12839006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安達 基泰 京都大学, 農学研究科, 助手 (60293958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 伸之 京都大学, 農学研究科, 助手 (90303908)
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Keywords | クルシフェリン / グリシニン / 高次構造 / 加工特性 / 形質転換植物 |
Research Abstract |
1)組み換え型プロクルシフェリンの結晶化と改造クルシフェリンの評価: 昨年度構築した、改造クルシフェリンの構造形成と性の評価を行った。可変領域を除去したもの、遊離のSH基を除去したものは、構造形成したが、塩結合を除去したものは、野生型と同様の構造を形成しなかった。加工特性を評価したところ、可変領域を除去したものは、野生型に比べ熱安定性が3.5度低下していた。また、低イオン強度での溶解性のpH依存性が大きく低下した。反応性の高いCys283をThrに置換したもの(C283T)は、熱安定性に変化はなく、低イオン強度下における溶解性は少し上昇していた。また、両改造を施した改造クルシフェリンの性質は、C283Tに近いことが示された。昨年度に引き続き、プロクルシフェリンの結晶化を様々な条件を検討したが、良質の結晶は、得ることができなかった。そこで、上述の改造クルシフェリンを用いて結晶化を行っている。さらに、モデリングから得られた立体構造を基に、表面の電荷分布を変化させた新たな改造クルシフェリンを作製している。 2)グリシニンを蓄積するナタネの開発: グリシニン遺伝子を導入されたナタネにおいて、その種子におけるグリシニンの発現とプロセシングをSDS-PAGEの後、ウエスタンブロットによって確認した。また、PCRによって求めたグリシニン遺伝子を含有する種子の割合は、約10%であった。現在、次世代の育成を進めている。
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