2001 Fiscal Year Annual Research Report
更年期への適応と生活ストレスおよびソーシャル・サポートとの関係
Project/Area Number |
12871022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森岡 和子 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教務職員 (70261261)
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Keywords | 更年期 / 生活ストレス / ソーシャル・サポート / 社会調査 |
Research Abstract |
更年期女性の更年期の過ごし方や適応の実態を明らかにするために、質問票による社会調査を行った。質問票は、更年期症状の程度や更年期への適応度の指標を導入し、生活ストレスや、社会的ネットワークとサポートの観点から分析が行えるように設計した。調査対象者は、札幌市在住の45-55歳の女性とし、選挙人名簿から2段無作為抽出により600名選出し、郵送法による自記式調査を行った。その結果、有効回収数225票(回収率37.5%)が得られた。 調査票の構成は、対象者および家族の基本的属性のほか、更年期症状とその対処法、生活変化事件、夫婦間のサポート関係、親子間のサポート関係、親類・地域・職場等家族以外のサポート関係、家事や介護への参加の程度と意識、生活ストレスの程度と満足度などから成っている。 得られたデータを用いて統計解析ソフトSPSSにより現在分析・解析を行っている。これまでに得られた結果から、更年期に適応していくためのサポートとして、医療分野や保健福祉行政によるものは有効例が少なく、一方、家族や知人、特に趣味や地域活動を通じた共通の経験をもつ友人のサポートが適応に非常に有効であることがわかった。医療・行政分野からのサポートは、量・質とも現状では不十分だと考えられる。 今回の調査では更年期への適応と、親との関係においてあまり有効なデータが得られなかった。これは、札幌市という都市部特有の現象であるどうか確かめるために、北海道内農村部で、同様の調査を行うことを計画中である。
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