2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12871048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
三船 温尚 高岡短期大学, 産業造形学科, 助教授 (20181969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 孝之 高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (30279856)
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
横田 勝 高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (10029225)
清水 克朗 高岡短期大学, 産業造形学科, 講師 (70235646)
宮原 晋一 橿原考古学研究所, 調査第2課, 主任研究員 (90250373)
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Keywords | 高錫青銅鏡 / 破壊実験 / 模造鏡 / 割れ方 / 腐食面 / 焼き入れ / 経年変化 |
Research Abstract |
日本国内から出土した三角縁神獣鏡のレプリカから、破壊実験の資料を収集するための2種類の模造鏡28面を鋳造した。これらは陶製鋳型(伝統的な真土型鋳造法)による鋳造方法を用い、重油バーナー焼成炉で鋳型を素焼きし、溶解した銅74パーセント、錫23パーセント、鉛3パーセントの高錫青銅を鋳造した。鋳造後、研磨し、その割り方について検討した。 中国山東省から出土した、戦国時代から唐代にかけての青銅鏡を調査し、その(1)割れ方(直線的な割れ方・折れ線的な割れ方の区別と破断面の角度と乳などの凸模様を貫通するか避けるかなどについて)(2)割れた時期(錆の広がりによる時期の判断)などの詳細な研究資料を収集した。 本研究の研究分担者を中心とした研究会を開催し、次のようなテーマを検討した。内容は(1)山東省出土鏡の概観(2)青銅鏡の腐食面の科学的調査(3)黒塚古墳出土鏡の割れ方(4)和鏡の割れ方(5)鏡の割れ方研究における経年変化の問題などである。特に(3)は実際の出土状況から、落石による破壊、土圧による破壊などの区別が明らかになり、今後の破壊実験の方法が明確になった。また、割れ方形状を分類する中に、割れた原因を推測し限定する必要性を感じた。(4)は、高錫青銅鏡に焼き入れが及ぼす影響を考えるうえで、重要な問題を含み、焼き入れ技術の変遷研究と深く関連すると思われた。割れ方研究において最も重要な点が、(2)と(5)であり、この2点に関する研究着目はこれまで無かった。この2点は深く関連する。経年によって鋳造時の青銅成分は大きく変化することが、本研究の研究分担者の研究から明らかになり、そのことと鏡の割れ方は重要な関連を持つことが予測された。 これらの、年間研究を基に、今後の破壊実験鏡の割り方、収集する資料、研究の進め方などについて充分な検討を行った。
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