2001 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本語の文法的バリエーションに関する基礎的研究
Project/Area Number |
12871049
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
野田 春美 神戸学院大学, 人文学部, 助教授 (60237849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 水穂 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (80292358)
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Keywords | 文法的バリエーション / 地域差 / 世代差 / 文体差 / 方言 / 標準語 / 文法体系の変化 |
Research Abstract |
1.日本語コーパスの作成 朝日新聞「天声人語」(1996〜2000年),『'93年鑑代表シナリオ集』「'94年鑑代表シナリオ集』 2.1及び既存のコーパスデータにより,副詞の異形態の使用分布を調査し,以下の結果を得た。 (1)「あまり」「あんまり」の用法は,係り先によって,次のように分類される。 (a)否定,(b)肯定従属節(仮定節/原因・理由節),(c)肯定主節 「あまり」は(a)の用法に多く用いられ,「あんまり」は(b)の用法に比較的多い。 (2)「とても」「とっても」の用法は,係り先によって,次のように分類される。 (a)否定(不可能であること),(b)肯定(程度の大きいこと) 「とても」は(a)の用法に比較的多く用いられ,「とっても」は(b)の用法に多い。 3.秋田大学学生,神戸学院大学学生に対して,以下の項目をアンケートにより調査。 (1)受動文の選択 西日本若年層(神戸学院大学学生)に比べ,東日本若年層(秋田大学学生)の方が,同じ場面を表現するのに受動文を選択する傾向が高かった。これが何に起因する現象であるのかを,今後の課題として検討する予定。 (2)否定応答文 (3)「のこと」の用法 (4)美化語「お」の使用 4.歌詞に見られる文法的逸脱の許容度について,神戸学院大学学生と関西圏高年層を対象にしたアンケートにより調査。全般的には若年層のほうが許容度が高いという結果が得られた。
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Research Products
(1 results)