2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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Keywords | 力学系 / 実解析 / リーマン幾何学 / シンプレクティック多様体 / ヤンミルズ場 / 無限非可積分型 / ファインマン図 / ラグランジュ部分多様体 |
Research Abstract |
次の定理を証明した。 正の数Rが存在して次のことが成り立つ。R(i)がRより大きい正の数とする。L(i)をR(1)+・・・+R(i),(iが正の時)、R(-1)+・・・+R(i),(iが負の時)で定める。このときS^3xR上の自己共役ヤンミルズ接続Aであって、次の性質を持つものが存在する。AのS^3x(R(i),R(j))への制限のエネルギーはj-iに近い。 この定理は次のような背景から生まれた。可微分同相写像fの双曲的不動点pを考え、その安定多様体と不安定多様体が別の点qで横断的に交わるとする。ことのき正の数Rが存在して次のことが成り立つことが、(ポアンカレ?によって)しられていた。R(i)がRより大きい正の整数とする。L(i)をR(1)+・・・+R(i),(iが正の時)、R(-1)+・・・+R(i),(iが負の時)で定める。このとき、qの近くの点q′であって、どのiに対しても、fのL(i)回の合成で再びqの近くに戻ってくるものが存在する。 この古典的な定理は、qの近くにベルヌーイシフトを構成することにはって証明される。(たとえばモーザーの書物Stable and random motion in dynamical systemに証明されている。) これと上に述べた、自己共役方程式の定理の類似は明らかである。本研究の研究目的との関係でいえば、ひょっとして、この定理が自己共役ヤンミルズ方程式がS^3xRの場合すら可積分とはいえないということを意味しているともいえる点である。(安定多様体と不安定多様体との交わりからカオスが生じるというのはポアンカレの古典的な観察である。)ただし、まだそう主張するだけの根拠になっているとはいえない。 定理の証明は(ベルスーイシフトを構成することは不可能と思われるので)タウベス流の張り合わせで作るが、無限個のバブルを張り合わせる必要があるので、できたものは、エネルギー無限であり線型化方程式がフレドホルムにならないため、工夫を要する。今年は他の研究で忙しくこの定理を論文にする暇がなかった。 他に、実解析とリーマン幾何学の関係ついて情報収集を進め、さらに確率論・情報理論・理論計算幾科学などについても知識の習得につとめた。
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Floer homology for families-report of a project in progress-"Proc. of the MSIRI Integral system.. 1-36 (2001)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Floer homology and Gromov-Witten invariant over Z of general symplectic manifolds-summary"Proc. of the Last Taniguchi Symposium. . 1-12 (2001)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Mirror symmetry of Abelian variety and multi theta functions"submitted to J. of Alg.Geom.. 1-93 (2001)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Lagrangian intersection Floer theory-anomaly and obstruction-"Interscience (予定). 450