2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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Keywords | ハミルトン同相写像 / ラグランジュ部分多様体 / 高次元カテゴリー / フレアーホモロジー / シンプレクティック幾何学 / ノビコフ環 / スペクトル系列 |
Research Abstract |
1.ラグランジュ部分多様体のaction spectrumについて. ハミルトン力学系(ハミルトン同相写像)のaction spectrumとは,おおよそ,周期軌道に対応するハミルトン汎関数の値全体を指し,シンプレクティックトポロジーとハミルトン力学系の交差点で活発に研究されている. 一月に来日したY.G.Oh氏との議論の結果次のような研究が可能であることが分かり現在研究を始めている. ラグランジュ部分多様体に対応して,ノビコフ環上のチェイン複体ができるが,この境界作用素を考えたとき,T(ノビコフ環を作るのに使うパラメータ)の指数に現れる数全体はaction spectrumのアナロジーである. これそのものは,たとえばラグランジュ部分多様体をハミルトン同相写像で移したりまた概複素構造を変えたりすると,変わってしまうので,よい不変量を与えない.しかし,これに当たる不変量が次のようにすれば得られる. おのおのの有理数1/qに対して,その倍数のところでノビコフ環を切ることによりフィルター付き複体ができ,それからスペクトル系列ができる.(深谷-太田-小野-Oh)このスペクトル系列の微分が0でない場所を考えることにより,k/pの形の数がいくつか決まる.この数のpが無限大に近づく時の極限をとることにより,不変量が得られる. この不変量が,pが無限に行くとき収束するという強い意味で不変量であるのかどうか,また,ラグランジュ部分多様体を連続に動かしたとき(ハミルトン変形でない変形を行って)連続に動くかどうかなどが,重要な問題であり,研究中である. 2.高次元圏論と種々の数学 理論コンピュータ科学,数理論理学などでも高次元圏論が使われていることにきづき,これと深谷らが数理物理学やモジュライ空間の研究で使っている高次元圏論との関わりについて,考えた.まだ勉強を始めた段階であり,結果というべきものは出ていない.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Multivalued Morse theory, Asymptotic analysis and Mirror symmetry"Advanced Studies in Pure Math.. 34. 31-127 (2002)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Defoemation theory, homologidca algebra and Mirror symmetry"Proc. of Conference on Geometry and Physics of Branes. (To appear). 1-103
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Mirror symmetry of Abelian varieties and Multi Theta function"Journal of Alg.Geom.. 11. 393-512 (2002)
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[Publications] 深谷賢治: "21世紀の空間像"数理化学. (予定). (2003)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Galois symmetry on Floer homology"Turkish J.Math.. (to appear). 1-25