2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874032
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小川 了 東邦大学, 理学部, 助教授 (10256761)
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Keywords | TOF / マイクロチャネルプレート / MCP / チェレンコフ光 / タイミングカウンター / 高エネルギー実験 |
Research Abstract |
高エネルギー実験に応用可能な高時間分解能TOFカウンターを開発するため、本研究では、マイクロチャネルプレート内蔵型光電子増倍管によりチェレンコフ光タイミングカウンターを構成し、実用性の実証を行う。 今年度は、2回に渡り、チェレンコフカウンターの開発状況の調査および、専門家との議論を展開し、それらに基づき、重イオンビームを用いたビームテストを行った。 1.チェレンコフ光の伝播を検討するためにシミュレーションプログラムの開発を行った。 2.ビームテストにおいては、データ取得系をLANによる遠隔操作により可能なシステムを構築し効率の良いビームテストが可能となった。 3.アクセプタンスおよび検出効率の系統的な振る舞いを押さえるため、同じビームライン上に同じ輻射体を用いたリングイメージングチェレンコフ検出器(RICH)を構成し、モニターを行いながらタイミングカウンターのデータを取得した。時間分解能は、27ピコ秒の高い分解能を得た。一方、検出効率は、およそ70%と少し低いことが解った。 4.パイ中間子ビームによるビームテストは、2002年度に予定している。 検出効率を損なっていた様々な原因が明らかになり、これを踏まえて再度重イオンによるビームテストを行う予定である。入射粒子の位置情報を得るために位置検出器の開発にも着手した。タイミングカウンターの開発および、RICHの開発は、論文投稿予定である。
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