2000 Fiscal Year Annual Research Report
半導体における遠赤外(THz)発光の検出とスペクトル測定
Project/Area Number |
12874033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 泰洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20013534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嵜 博司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00134007)
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Keywords | 半導体 / THz放射 / 遠赤外分光 / 浅い電子中心 / 黒体放射 / ホットエレクトロン / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
液体窒素温度以下に冷却した半導体結晶表面に数百Hzでチョップした800nmの連続レーザー光をあてるとTHz発光が見られる。THz領域の光は数ミリeVという低い光子エネルギーを持つ事から、この発光は半導体中の浅い電子中心からの発光か、またはレーザー光で温度が高くなった電子系による黒体輻射のどちらかと予想される。このことを明らかにするために、今年度はTHz放射の検出システムを製作し、測定を行っている。 測定系:励起光源はアルゴンレーザーまたはアルゴンレーザー励起Ti-サファイアレーザーで、出力は200ミリワットから1ワット程度である。黒体輻射による放射は電場加速によるTHz放射と違って短波長側にまでスペクトル領域が広がっていることが予想されるので、波長10μm程度まで検出可能な系を製作した。 手持ちのクライオスタットを改造し、試料を液体ヘリウム温度にまで冷却できるようにした。ビームスプリッターを購入し、手持ちの干渉計の測定可能波長領域を広げる事ができた。 試料:浅い電子捕獲中心が有効に作り出されるため、又は黒体輻射を出せるように電子系だけが格子系に比べて高い温度を保てるようにするためは高純度試料を用いなければならない。今年度はSi(高純度、欠陥濃度が低い)単結晶のみ入手できたので、この試料を用いて測定を行っている。 これまで、遠赤外に相当する0.3THz〜2THz領域において放射を検出し、放射方向の角度依存性を測る事ができた。その結果はホットエレクトロンによる黒体放射の可能性を示唆している。
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