2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河江 達也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30253503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 雅子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264094)
美藤 正樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60315108)
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Keywords | 超高圧 / 極低温 / 比熱 |
Research Abstract |
ダイヤモンドアンビルセル(DAC)の普及によって比較的簡単に超高圧が実現できるようになってきた。超高圧発生にDACを用い、交流法比熱測定と組み合わせることにより超高圧下における比熱測定の開発することを目的に研究を進めている。本年度は低温実験用クライオスタットの整備、比熱測定に用いるための小型DACの設計・開発、液体ヘリウム温度における試料空間と温度計の熱平衡条件の模索などを中心に行った。その結果として、DACを用いた加圧下帯磁率測定については試料と温度計間に温度差を作らない状態で希釈冷凍機温度からの測定が可能となり有機強磁性体の加圧効果の研究などを行った。また、従来のクランプセルを用いた加圧下比熱測定についてもDACを用いた比熱の校正を行う上で非常に重要である。これについては最低温度T〜150mK、最高圧力P〜1.5GPa程度からの実験が可能になった。これを用いて希土類磁性体や有機磁性体の比熱を測定した。これらの実績は別表に記述している。またDACを用いた比熱測定についても予備実験を行い以下の条件で設計していくことにした。測定は交流法を用いる。この方法は微小量の試料の比熱測定等に幅広く応用されている。この測定法のポイントは試料と温度計の間の熱緩和時間τtが熱浴と試料との緩和時間τbより短いことである(τt<τb)。この条件を満足するよう小型のセルノックス温度計、マンガニン線をヒーターとして用い、それらを試料のすぐ近傍ガスケット部に取り付ける。また圧力媒体は低温でも試料と温度計間の熱伝導を良好な固体ヘリウム4を用いることで、試料と温度計間の熱接触を確保する。以上の方法で開発を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kawae 他: "Pressure effects on heat capacity of a heavy ferrum compound YbAs"Physica B. 284-288. 1261-1262 (2000)
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[Publications] M.Miro,T.Kawae 他: "Pressure-Induced Enhancement of Tc in a Genuine Organic Bulk-Ferromagnet"Physica B. 284-288. 1493-1494 (2000)
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[Publications] M Mito 他: "Pressure Effect of an S=1 Haldane Compound NDMAZ"Journal of the Physical Society of Japan. 69. 1498-1502 (2000)