2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射下での水・岩石反応実験による太古代の月表面風化の研究
Project/Area Number |
12874063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 剛 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00236605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 良浩 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (10281065)
南 雅代 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (90324392)
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Keywords | 水・岩石反応 / 月 / 風化 / 放射線照射 / ラジカル / 希土類元素 / セリウム異常 / 太古代 |
Research Abstract |
アポロ月試料の希土類元素存在度パターンに見られる正のセリウム存在度異常がなぜ生じたかについて、申請者は太古代の月に水(氷/水蒸気)があった頃に月表面で放射線と水との反応により反応性の高いOHやH_2O_2などのラジカルが生じ、それらと岩石の風化反応によるとの仮説を提唱した。本研究は、その仮説の当否を実験的に検証するために行う。 前年度までは、塩酸あるいは硫酸酸性溶液中において岩石からの元素溶出実験をすすめてきた。これは、酸性条件で岩石からの溶出量を増やし、小規模な実験生成物をもちいた測定を容易にするためであった。しかし、天然で進行しているのは、重炭酸による弱酸性環境下での風化作用である。この条件下での溶出実験では、溶出した主成分元素の測定は可能なものの、微量成分、特に希土類元素の定量は不可能であった。これは溶出した希土類元素がすぐに再沈殿することによると考え、溶出した溶液を、すみやかにイオン交換カラムに送り込み吸着させることにより、溶出元素を隔離し、溶出現象のみをとりだして、定量するシステムを考案した。このシステムは、送液ポンプをもちいて、反応系から反応溶液をすぐさまイオン交換樹脂に導くもので、この方法により、希土類元素が、約300時間の短い反応期間においても従来考えられていたよりも遥かに多量(Release Ratioにして1/5000)に溶出している事が判明した。また、溶出液には著しいW型のテトラド効果が見られた。本実験を高木ほか(GCA投稿中)に準じ鉱物をもちいた実験への展開継続を進めている。結果をまとめ平成15年度基盤研究への応募を予定している。
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