2001 Fiscal Year Annual Research Report
チイレン,セレニレン類の新規合成法に立脚したこれらの化学の新しい展開
Project/Area Number |
12874074
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中山 重蔵 埼玉大学, 理学部, 教授 (90092022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 儀昭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00272279)
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Keywords | チイレン1-オキシド / アセチレン / 二塩化硫黄 / 2,3-ジクロロチイラン / α-オキソチオケトン / チイレン1-イミド / α-イミノチオケトン / 環拡大反応 |
Research Abstract |
嵩高いアルキル基を二つもつアセチレン(1)と二塩化硫黄を塩化メチレン中,室温で反応させると,2,3-ジ-アルキル-2,3-ジクロロチイラン(2)が定量的に得られた.未精製の(2)のアルカリ加水分解を室温で行うと,チイレン1-オキシド(3)が68-90%の収率で得られた。すなわち,(3)の簡便合成法を見いだすことができた。一方,(2)を室温で酸加水分解すると,(3)とα-オキソチオケトン(4)が10%と36%の収率で得られた。この結果は,昨年度の報告書に記載した(2)のシリカゲルカラムクロマトグラフィーに(3)と(4)が得られた結果と一致する。 (3)を塩化メチレン中,-78℃で無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させた後,p-トルエンスルホンアミドを加え室温まで昇温すると,α-イミノチオケトン(5)と(4)を59-69%と7-11%の収率で与えた。当初予想したチイレン1-イミド(6)の生成は確認できなかった。本反応は,まず(6)が生成し,これが環拡大して1,2-チアゼット(7)となった後,開環して(5)になると考えられる。トルアミドをp-トルエンスルホンアミドの代わりに用いると,予想外の結果が得られた。すなわち,(3)と無水トリフルオロメタンスルホン酸を反応させた後,p-トルアミドを反応させると,65-89%の収率でオキサゾール(8)が得られ,硫黄も生成した。これら反応は,(6)が生成し(7)となった後,N-トルイル-α-イミノチオケトン(9)が生成し,電子環状反応で4,5-エピチオオキサゾール(10)となり,ここから脱硫して(8)が生成する。P-トルアミドの代わりにチオベンズアミドを反応させると,50%の収率でチアゾールが得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Juzo Nakayama: "A convenient synthesis of thiirene 1-oxides"Tetrahedron Letters. 42. 4017-4019 (2001)
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[Publications] Yutaka Ono: "Conversions of Thiirene 1-Oxides to α-Iminothioketones or Oxazoles through Probable Intermediates Sulfilimines"Chemistry Letters. 3. 314-315 (2002)