2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミツバチが収穫ダンスをする理由の解明-ダンス言語説に対する疑義の立場から
Project/Area Number |
12874103
|
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
大谷 剛 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (60244688)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池野 英利 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (80176114)
|
Keywords | 1個体追跡法 / 尻振りダンス / 移行型ダンス / シェイキング / 身震いダンス / ダンス行動 / 観察巣箱 / 個体マーク |
Research Abstract |
1999年の予備実験と場所など実験設定を大幅に変更したため、11月まで実験に入れなかった。実験は可動式の餌台にマークしたハチを通わせて、観察巣箱内でどのようなダンス行動をするかを「1個体追跡法」で観察した。11月6-18日の間に11日間観察した結果は次の通り。 1.巣門から0〜105mの移動餌台についてきたのは2個体で、3日目からは874という背番号の1個体(12-24日齢)だけだった。 2.餌台の餌は2日目までは薄めた蜂蜜で、多数の働きバチがついてきていた。ところが、2日目の後半から2Mの蔗糖水に替え、3日目からは最後まで0.5Mの蔗糖水を使用したが、蔗糖水になったとたん、招集蜂はずっと最後までゼロだった。 3.1978年に観察した、14mの餌台と飛行35での「尻振りダンス」を再現するつもりだったが、すべて尻振りダンスにもう一歩届かない「移行型ダンス」であった。 4.観察巣箱を設置した昆虫網室には、前室がついていて、ハチたちは室外に出るために、入り口を二つ通過する必要があったが、874は必ず扉のところで入るのを躊躇していたので、このことが大きく影響している可能性がある。 5.1999年の予備実験で、シェイキング(振身ダンス)は一種の「転位行動」だと考えたが、通い飛行の初めと終わりによく観察され、また飛行が不首尾に終ったあとに観察されることから、その考えは一層強くなった。 6.身震いダンスについても、シェイキングと同様の傾向があり、円ダンスや移行型ダンスから回転をなくすと、身震いダンスとそっくりになる点から、「未熟なダンス行動」という考えは支持される。 個体マークの読み取り装置については、2次元バーコードの利用も検討し、テストを重ねていたが、汚れやミツバチの動きなどに対応することが難しく、色コードを読み取る方法を採用することになった。
|
Research Products
(1 results)