2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 陽介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90183855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 さらみ 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20282725)
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Keywords | bZIP型転写調節因子 / 形態形成 / 細胞伸長 / 表層微小管 / タバコ |
Research Abstract |
植物の柔軟な形づくりの原動力は、50倍以上の体積増加を伴う自在な細胞伸長にある。植物は植物ホルモンを介して細胞伸長の方向を制御し、環境に適した個体の形を実現するのである。細胞伸長の方向制御の主要な担い手は細胞膜直下に存在する表層微小管であると考えられているが、その構造制御の分子機構は未だに明らかではない。 我々のクローン化した新しいbZIP型転写調節因子RSGの機能を阻害した形質転換植物では、表層微小管の構造が破壊され、細胞伸長が抑制された結果、植物個体の形態に著しい異常が生じた。本研究では表層微小管の配向が破壊された形質転換タバコを材料とし、最近我々が開発した新しいin vitroのアッセイ系を用いて表層微小管の構造を制御するタンパク質を単離し解析することを目的とした。 ブタ脳より精製したチューブリンを重合させた微小管に、タバコの茎から抽出したタンパク質粗画分を添加し暗視野顕微鏡で観察した。野生型植物のタンパク質を加えた場合、微小管は長く均一で安定な形態を示した。これに対しRSGの機能が抑制された形質転換タバコのタンパク質を加えた場合、短く太い微小管が集合した放射状の形態を示した。In vitroアッセイ系で観察されるこの際だった構造の差異は、in vivoの微小管構造の差を反映している。このことは、形質転換タバコにおいて、微小管の構造を制御する因子に質的あるいは量的な変化が生じ、その結果として表層微小管の構造が破壊された事を示している。野生型と形質転換タバコから微小管結合蛋白質画分を部分精製し、これを比較して両者の間で存在量・修飾状態に変化の見られる蛋白質を検索した。その結果、表層微小管の構造が破壊された形質転換植物では120kDaおよび45kDaのタンパク質量が減少している事を見出した。来年度はこのタンパク質のアミノ酸配列を決定しcDNAを単離・解析する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fukazawa,J. et al.: "REPRESSION OF SHOOT GROWTH,a bZIP transcriptional activator, regulates cell elongation through the level of gibberellins."Plant Cell. 12. 901-915 (2000)
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[Publications] 櫻井英博 ら: "植物生理学入門 三訂版"培風館(印刷中). (2001)