2000 Fiscal Year Annual Research Report
チェレンコフ効果による非平衡キャリアーの速度飽和特性解析
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12875001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
陽 完治 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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Keywords | チェレンコフ効果 / 飽和速度 / 非平衡フォノン / 顕微ラマン法 / フォノン放出 |
Research Abstract |
当初、計画していた「ボロメータ」によるLOフォノン検出の方法では、LOフォノンが試料サイズのミリメータ程度の距離を走行中に減衰してしまい測定限界以下となることが判明したため、顕微ラマン法により、フォノンとレーザー光の結合を利用して、LOフォノン放出の様子を像として捕らえることを試みことにした(ドイツ、パウル・ドウルーデ固体物理学研究所と共同研究)。材料として、シリコン、および化合物半導体(GaAs)の2種類で電界効果型トランジスタを作製た。試料に強電界をかけて、10^7cm/s程度の飽和速度に加速された電子と結晶格子との衝突による円錐状のフォノン放出(チェレンコフ放射)を検出すべく、絶対温度15度付近で、ラマン散乱のスペクトル解析を試みた。レーザーのスポットサイズが小さいため(1-2ミクロン)、励起エネルギー密度が高くなり、多数のフォノンの発生を伴うため、非平衡LOフォノンを検出するのが難しいことが分かった。今後は、空間解像度を多少犠牲にしても、スポットサイズを大きくすることで入射レーザー光のエネルギー密度を下げて非平衡フォノンの検出を試みる予定。
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