2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水谷 宇一郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00072679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
琵琶 哲志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50314034)
竹内 恒博 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00293655)
生田 博志 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (30231129)
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Keywords | 熱電変換材料 / 準結晶 / ゼーベック係数 / イオンプランテーション / 比抵抗 |
Research Abstract |
本年度は、Al-Pd-Mn準結晶の熱電変換材料としての評価を行った。また、イオンインプランテーション法を用いて、Al-Pd-Mn単準結晶にReおよびAuを2次元的に分散させ、この2次元的なReの分散によるゼーベック係数と比抵抗の変化を詳細に調べた。 熱電変換における性能指数に最も影響を与えるゼーベック係数は、Mnの濃度の増加に極めて敏感であることが判明した。Mnがフェルミレベルにd電子を供給することにより状態密度の傾きが著しく変化することが予想される。ゼーベック係数は状態密度の勾配で決定されるので、ゼーベック係数に著しいMn濃度依存性が観察されたことは、Mnの濃度によりフェルミレベルにおけるd成分が大きく変化することに対応していると考えられる。また、準結晶構造の完全性も重要な因子であり、完全性が高くなるほどゼーベック係数が増大することがわかった。 Auをイオンインプランテーション法によりAl-Pd-Mn単準結晶に2次元的に分散させた試料では、ゼーベック係数が減少した。一方、Reを分散させた試料では、逆に、ゼーベック係数が増大した。この結果からも、フェルミレベルにおけるd電子の増加がゼーベック係数の上昇を導いていることが示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] V.Fournee,U.Mizutani,T.Takeuchi: "Electron transport properties and thermoelectric effect of Al-Pd-Mn single quasicrystals doped with M=Au or Re by ion implantation and its comparison with quaternary quasicrystalline samples."Materials Reserch Society,Symosium Proceedings. (2000)
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[Publications] T.Takeuchi,U.Mizutani, 他: "Classification of icosahedral quasicrystals and their approximants by the electronic conduction mechanisms "Materials Reserch Society,Symosium Proceedings. (2000)
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[Publications] U.Mizutani,T.Takeuchi, 他: "Determination of Spatially Hybridized Charge Distribution and its Effect on Electron Transport in the Al-Cu-Ru-Si 1/I-Approximant-Theoretical Basis for the Hume-Rothery rule-"Materials Reserch Society,Symosium Proceedings. (2000)
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[Publications] T.Takeuchi,U.Mizutani, 他: "Direct evidence for Hume-Rothery mechanism in Al-Mn-Fe-Si Mackay-type 1/I-cubic approximant"日本金属学会欧文誌. 42・6. (2001)