2000 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の複雑形態の多様性に関する画像解析と数理モデル化
Project/Area Number |
12875020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合原 一幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40167218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市瀬 夏洋 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (70302750)
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Keywords | 昆虫 / 形態 / 画像データ / 数理モデル / 差分微分代数方程式 / 反復関数系 / カオス / 多様性 |
Research Abstract |
多様な複雑形態を有する昆虫を様々な昆虫形態関連図書でサーベイするとともに、特に同一種内においても個体によって羽の空間パターンや色彩等が大きく異なるミイロタテハ(Agrias claudina croesus,Agrias phalcidon fournierae, Agrias narcissus icterica etc.)等の興味深い昆虫について実際の標本を収集し、各標本の基本特徴を本研究の主要設備である接写レンズ付ディジタルカメラでディジタルカラー画像に変換して、データベース化した。 次に、この画像データを色彩、パターンの空間構造等の特徴に注目して分析するとともに、その空間パターンをダイナミカルに生成する法則に関して、カオス力学系や反復関数系(IFS:Iterated Fuctional Systems)を用いて基礎的検討を行なった。 また、コンピュータグラフィクス技術を用い昆虫の色彩や空間パターンを再現するための技術(カラーグラデーションやモルフィング)に関しても、検討を行なった。 さらに、昆虫の複雑形態の数理モデル化の準備として、アフィン変換群から成る反復関数系をより一般の非線形変換群から成る反復関数系へ拡張するとともに、その記号力学や不変測度等の非線形統計量の数値解析法について研究した。 最後に、昆虫の複雑形態生成における遺伝子発現の基礎モデルとなる差分-微分-代数方程式を取り上げ、その安定性や4種類の分岐構造に関する非線形解析理論を構築した。(L.Chen and K.Aihara,IEEE Trans.CAS part I,in press)
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Research Products
(2 results)
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[Publications] L.Chen and K.Aihara: "Stability and Bifurcation Analysis of Differential-Difference-Algebraic Equations"IEEE Trans.CAS part I. 48,3(印刷中). (2001)
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[Publications] 合原一幸: "カオス学入門"放送大学教育振興会(印刷中). (2001)