2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 欣治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30005368)
小川 和洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50312616)
RAJA KRISHNAN SELVA 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40302179)
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Keywords | 酸化皮膜 / 接触電気抵抗法 / 低ひずみ速度試験 / 高温高圧水環境 |
Research Abstract |
本研究では、応力負荷下における酸化皮膜挙動を評価するために、低ひずみ速度試験下で酸化皮膜の電気抵抗の測定が可能な低ひずみ速度負荷装置付接触電気抵抗計測装置開発に世界で初めて成功した。その装置を用いて、高温高圧水環境(288℃、150気圧、超純水)中で応力負荷下にあるステンレス鋼の表面酸化皮膜の電気抵抗をその場計測することにより、新生面に形成される酸化皮膜生成挙動およびき裂初生時の酸化皮膜特性の評価に成功した。 得られた主な成果を列記すれば、 (1)高温高圧水環境下で試験片をひずみ20%まで急速(ひずみ速度:1×10^<-3>/sec)に負荷をかけることにより新生面を発生させ、その新生面に形成される酸化皮膜生成挙動を接触電気抵抗法を用いて評価した。その結果、ひずみ負荷により負荷部の接触電気抵抗は、無負荷相当部に比べて低下した。これは、新生面でのNiの選択的酸化と、形成されるNiO等の酸化物の接触電気抵抗が高電位側で1/2程度に減少することによるものと考えられ、通常の酸化とは異なる挙動を明らかにした。 (2)応力負荷条件下での酸化挙動およびき裂初生時の酸化皮膜特性を評価するために、高温高圧水環境下で低ひずみ速度(5×10^<-7>/sec)試験下の試験片に形成される酸化皮膜の電気抵抗のその場測定を行った。その結果、 ・弾性変形時、負荷部と無負荷部の接触電気抵抗は、ほとんど変化が認められない。 ・塑性変形開始とともに負荷部の接触電気抵抗は無負荷部に比べて高くなる。これは、負荷により新生面が形成され、加速、酸化が進行し、無負荷部より厚い皮膜が形成されたためと考えられる。 ・ひずみ12.5%近傍で負荷部の接触電気抵抗の低下が認められた。これは、極微小なき裂が発生し、き裂内に電気伝導性の高い局所水化学が形成されたため、あるいは、負荷により皮膜内の欠陥が増加し、皮膜の電気伝導性が向上したことによるため、あるいは双方の効果が考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Shoji,K.S.Raja,G.F.Li,Y.J.Lee and Anna Brozova: "Critical Parameters of environmentally assisted cracking in nuclear systems"Proc.Annual Conference of National Association of Corrosion Engineers, NACE2000,Paper 00190. (CD-ROM). (2000)
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[Publications] K.S.Raja and T.Shoji: "In-situ evaluation of electric properties of surface films of austenitic stainless steels and nickel base alloys exposed to pure water at 288 C and implication to SCC"Corrosion Science. (in press). (2001)