2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875041
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中部 主敬 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80164268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 裕 京都大学, 工学研究科, 講師 (00314229)
鈴木 健二郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00026064)
|
Keywords | 濡れ性 / 表面張力 / 分子動力学 / 表面改質 / 粘性 / せん断 |
Research Abstract |
分子動力学的アプローチを用いて,金属表面の濡れ性を原子レベルのスケール粗さで物理的に制御するシミュレーションを行い,マイクロスケール表面改質への応用展開の可能性を検討した.具体的には,マイクロスケールの表面粗さを設定した金属表面とその上に置かれた微小液滴とから構成される系を考え,その系を構成する各分子間相互のポテンシャルエネルギーを算出して,壁面に対する液滴構成分子の安定性と濡れのミクロなメカニズムについて評価・考察を行った.系の構成要素として表面金属には白金原子を,また,液滴にはアルゴン原子を採用することとし,そのそれぞれの原子に対する比較的シンプルな原子間ポテンシャルとして,白金原子間の相互作用にはバネーマスポテンシャルを,アルゴン原子間およびアルゴン原子-白金原子間のポテンシャルにはLennard-Jones(12-6)ポテンシャルを仮定した.昨年度の計算結果として,壁面粗さを規定する凹凸の有無に対して,液滴の形状変化や表面での移動の様子を捕えることができたので,凹凸の有無やパターンによって,液滴一壁面間の原子構成や液滴原子の表面に対する濡れ性がどのように変化するかを詳しく調べた.とくに,凹凸表面近傍における個々の液体分子の挙動を追跡し,従来から行われているマクロスコーピックな接触角から導出される表面張力との関連を調べた.また,凹凸の粗さをさまざまにデザインし,ミクロスケール表面粗さを変化させて,同様の分子動力学計算を試み,パラメータスタディを行って濡れ性を制御できるかどうかを検討した.今後,表面張力のミクロスコーピックな評価方法の検討や計算の時間短縮を図る工夫を行うとともに,本研究がより工学的応用に展開可能なように,すなわち,マイクロマシン加工技術ならびにマイクロスケール熱流動現象に応用できるように,解析対象とする物質を水などに変更した系についても分子動力学計算を実施することが必要と考えられる.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Nakabe, K.Yamanaka, K.Suzuki: "An MD Simulation on Micro Droplet Behaviors Affected by Solid Surface Conditions"Proceedings of the 5th ASME/JSME Thermal Engineering Joint Conference. (CD-Rom). 6504-1-6504-8 (1999)
-
[Publications] 川口靖夫, J.F.Eschenbacher, 中部主敬: "乱流抑制効果をもつ界面活性剤水溶液のレオロジー的性質"日本流体力学講演論文集. 511-512 (2000)
-
[Publications] J.F.Eschenbacher, M.Joko, K.Nakabe, K.Suzuki: "Effects of Generated Longitudinal Vortices on the Heat Transfer and Flow Velocity of Drag-Reducing channel Flow"Proceedings of the 4th KSME/JSME Thermal Engineering Joint Conference. 2. 2-317-2-322 (2001)