2000 Fiscal Year Annual Research Report
酸化シリコン超薄膜/シリコン界面での単一界面トラップ準位のAFHによる実空間観察
Project/Area Number |
12875059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 幸雄 東京大学, 物性研究所, 助教授 (80252493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 一司 通産省工業技術院, 電子総合技術研究所, 主任研究官
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / シリコン酸化膜 / 界面電荷トラップ / 界面電子状態 / 表面ポテンシャル / シリコン水素終端表面 |
Research Abstract |
本研究では、超高真空原子間力顕微鏡(AFM)を用いてシリコン/シリコン酸化膜に局在する単電子トラップを検出・イメージ化する技術を開発し、その振る舞いを明らかにしていこうとするプロジェクトである。現在、超高真空AFMを用いて例えばシリコン表面などが原子分解能で観察できることを確認し、さらに探針試料間の電圧に対する応答の測定から表面でのポテンシャルを測定する機能を付加して、シリコン表面でのポテンシャル分布を評価している段階であり、今後さらに酸素やアルカリ原子などの吸着系や酸化膜へと研究を進めていく計画である。 一方、酸化膜等の試料作成の点に関しては、グローブボックスを取り付けることにより清浄な環境下での試料処理を行えるようにすると同時に、化学処理により試料を清浄化する方法の探索も行っている。化学処理法に関しては、フッ酸処理等によってかなり広い範囲(STM観察に耐えうる程度)で平坦なシリコンの(111)面の水素終端面を得ることに成功している。この表面はこれまでクリーンルームでしか得られないとされていたもので、そうでない通常の環境下で得られるようになったことは本研究のみならず、関連するBEEM研究への基板としての応用などその意義は大きい。水素終端面はダングリングボンドによる表面電荷が少ないことからポテンシャルが変化しやすく、ポテンシャル分布測定の試料としても有効であり、今後こうした試料を用いてシステム開発を進めていく計画である。
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