2001 Fiscal Year Annual Research Report
人間のリスク認知特性を考慮した防災投資の経済評価手法の理論構築と認知特性の計測
Project/Area Number |
12875091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家田 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90168089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺部 慎太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60302585)
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Keywords | リスク認知 / 防災施設整備 / レベル2地震動 / 耐震性能 / 道路高架橋 / 費用便益分析 / ネットワーク分析 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
1.専門家へのアンケート調査によるリスク評価計測の精緻化 昨年度は,きわめて少数の専門家に対するアンケート調査しか行わなかったため,その精度に問題があった.そこで本年度は,高架橋の耐震性能に関するアンケートを作成し,実際に道路の政策決定に携わる道路行政職員や,道路の運営を行う公団職員,あるいは橋梁・防災・社会基盤計画を専攻する大学教授および学生の計65名を被験者として調査を行った.この調査では,まず地震発生確率や被災程度が異なるシナリオを16ケース用意し,各ケースについて5段階の耐震性能ごとに被害額と耐震強化費用を示し,適切だと思われる耐震性能ランクを被験者に選択させる.このようにして得られた結果を多肢選択型ロジットモデルに当てはめ,最尤法を用いてリスク評価関数のパラメータを推定した. 2.実際の都市高速における耐震性能の試算 東京・福岡の実際の都市高速道路網における高架橋の最適耐震性能の試算に上記で計測したリスク評価関数を適用した.計算に当たっては,たとえば首都高速道路においては,ノード数305, 97の高架橋リンクを含むリンク数1068のネットワークを構築し,遺伝的アルゴリズムを用いて各高架橋リンクの最適耐震性能を求めた.この試算の結果,各高架橋のネットワーク上での位置づけ等によって,地域別の要求耐震性能が異なることがわかった.また,損失の増幅効果の考慮の有無が,最適とされる耐震性能の差に影響を及ぼす場合があることを示した.
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[Publications] Hitoshi IEDA: "CBA-Based Anti-Disaster Design of Tramsport Network and Facilities Considering Risk Cognition Biases"World Conference on Tramsportation Research Proceedings. 9. (2001)
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[Publications] 家田 仁: "損失の増幅効果を考慮した都市内高速道路高架橋における要求耐震性能の試算"土木計画学研究・講演集. 24・176. (2001)