2000 Fiscal Year Annual Research Report
EHD対流を利用した非相溶性ポリマーブレンド膜のモルフォロジー制御
Project/Area Number |
12875142
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宝沢 光紀 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (70005338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正樹 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (90312678)
塚田 隆夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10171969)
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Keywords | EHD対流 / ポリマーブレンド / モルフォロジー / 相分離 / その場観察 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、ガラス基板上の電極形状に依存してポリマーブレンド溶液層内部に発現する電気流体力学的(EHD)対流の様々な対流構造を利用し、キャスト法により製膜されるポリマーブレンド膜の凝集構造形態(モルフォロジー)の設計を行おうとするものである。 本年度は、以下の点について検討を行った。 1)実験 a.電極付きガラス基板の作製 フォトリソグラフィ技術およびスパッタリングを利用し、ガラス基板上に様々な形状および寸法の電極を形成するプロセスを確立した。 b.製膜装置の製作 a.で作製したガラス基板を設置するテフロン製キャスト製膜装置を製作し、これを位相差顕微鏡のステージ上に設置することにより、製膜時の相分離過程並びにEHD対流等の様子を観察できるようにした。なお、ガラス基板上の電極は直流定電圧発生装置に接続され、任意の電圧を印加できる。また、ガラス基板上部のガスの流速および溶媒の分圧を調整可能とし、キャスト膜からの溶媒の蒸発速度を制御できるものとした。 c.相分離及びEHD対流の観察 電極形状を工夫し、ポリマーブレンド溶液(PS/PVA/トルエン系)中のEHD対流を可視化したところ、電極の形状に拘束されたEHD対流構造を観察することができた。この対流と相分離構造との相関は現在検討中である。 2)数値シミュレーション 1-c)の実験で使用する電極形状に対応するEHD対流の構造を理論的に検討するために、2次元の数値シミュレーションコードの構築を行った。
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