2001 Fiscal Year Annual Research Report
液添加・軽量大径粒子流動層の基本特性-流動層式介護入浴システムの基礎研究-
Project/Area Number |
12875144
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
永橋 優純 高知工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80208040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 明 高知工科大学, 連携研究センター, 教授 (60299394)
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Keywords | 流動層 / 湿潤流動層 / 流動化促進 / 熱伝達率 / 粗大粒子流動層 / 低密度粒子流動層 / 液添加流動層 |
Research Abstract |
本研究は従来一般的な流動層とは異なり、少量の液添加により流動化促進が起こる「液添加・軽量大径粒子流動層」に関する基礎研究である。この流動層は工業化に対して有益な多くの特長を有するが、本研究ではその基本特性を明らかにした上で、その流動化促進メカニズムを特定することを目的としている。 本研究で明らかになったことは、 (1)流動化促進は特定の粒子・添加液条件下で起こる。適度な大きさの固液凝集体が形成されることにより粒子間の実質気流速度が増速され、それにより流動化が促進される。流動化促進の条件として、添加された液が(1)ガス流に逆らって層内部に浸透し流動層内部に保持され、かつ(2)適度に分散した固液凝集体を形成すること、の二点を挙げた。(1)であるためには、軽い粒子(ポリスチレン)と軽い液体(例えば水)または、重い粒子(砂,ガラスビーズ)と重い液体(リン酸など)の組み合わせが必要であり、(2)であるためには、固液間の結合力を弱めるため、濡れ性を悪くするか、容積当たりの表面積を少なくする大径粒子を使う必要がある、などを示した。そして、共同研究者のJ.Graceらが固気液3相流動層で開発した"Liquid Perturb-ed Gas Model"を改良した"Modified Liquid Perturbed Gas Model"を本特殊流動層へ適用し、実験値との良い一致をみた。以上のことから流動化促進メカニズムをほぼ特定できたと考えている。 (2)流動化促進された流動層では、流動化開始速度が乾いた層の場合よりもより低い速度域に移動する。一例として、添加液量が層の嵩容積の10%の場合で約30%速まる。このことから従来よりは低い速度領域で高い熱伝達率が得られることになる。このときの熱伝達率は乾いた層の場合に比べ約5倍ほど増大する。この場合、層での圧力損失の増大は高々10%程度である。粒子の存在しない乾いた空気流中、同じく加湿空気流中、水流中、乾いた空気の流動層中、液添加の流動層中、そして文献値による固液流動層中における熱伝達率の相互比較から、本特殊流動層中の伝熱性能の飛躍的な増大には、(1)固液凝集体への非定常熱伝導Q_Ag、(2)管表面を覆う液体(水)への対流伝熱Q_L(3)管表面の濡れ境界部分における蒸発に因る熱移動(潜熱移動)Q_Vp、(4)空気流中への対流伝熱Q_Gなどが関与していることを明らかにした。そして、伝熱管に見立てた透明パイプ中からの管表面の濡れ状況の観察結果なども踏まえ、メカニズム解明のための第1段階としての伝熱促進機構を提案した。
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