2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい光電荷分離メカニズムによる人工光合成モデルの実現
Project/Area Number |
12875163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 攻 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30006332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤塚 守 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40282040)
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Keywords | フラーレン / 光誘起電荷分離 / 人工光合成 / ポルフィリン / チオフェン / チエニルエチニル / 二酸化チタン / レーザーフラッシュホトリシス |
Research Abstract |
本研究ではフラーレンをアクセプターとして用いることにより、人工光合成モデルを合成し、長寿命電荷分離状態の実現を目指している。平成13年度においては以下の点について検討を行った。 1.分子ワイヤーで結ばれたドナーアクセプター3元系の光電荷分離過程 ポルフィリン・オリゴチオフェン・フラーレン連結分子では、ポルフィリンがドナーとなり、オリゴチオフェンが分子ワイヤーとなった。ポルフィリンをフェムト秒レーザーで励起することにより、ポルフィリンラジカルカチオンとフラーレンのラジカルアニオンを生じた後に、ホールシフトによりオリゴチオフェンのラジカルカチオンが生成することを見出した。これは、オリゴチオフェンが分子ワイヤーとして機能していることを示唆した。最終電荷分離状態の寿命はマイクロ秒オーダーであることを見出した。さらに、分子ワイヤーとしてオリゴチエニレンエチニレン等を検討することにより、超高速電荷分離を見出した。 2.温度効果の検討。 ポルフィリン・オリゴチオフェン・フラーレン連結分子の電荷分離速度の温度変化を測定することにより、電荷分離の活性化エネルギーを導出した。さらに、活性化エネルギーのオリゴチオフェン鎖長依存性を求めたところ、鎖長の増大とともに活性化エネルギーの増大が確認された。これは溶媒再配向エネルギーの増大に起因していることが示唆された。 3.半導体微粒子との電荷移動 フラーレンにカルボニル基を導入することにより、二酸化チタン微結晶表面にフラーレン誘導体を結合させることを可能にした。二酸化チタン表面のフラーレンを可視光励起すると溶液中のドナーから電子を受け取り、その電荷を二酸化チタンに与えることを実験的に明らかにした。これは、新たなる光起電デバイスの動作原理を与えるものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mamoru Fujitsuka: "Properties of photoexcited states of C_<180>, a triangle timer of C_<60>"Chemistry Letters. 8. 384-385 (2001)
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[Publications] Mariko Yamazaki: "Energy transfer and electron transfer of photoexcited 5,6-open-azaC_<60> and 6,6-closedC_<60> in the presence of retinyl polyenes : hydrogen-bonding effect"Journal of Photochemistry and Photobiology A : Chemistry. 140・2. 139-146 (2001)
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[Publications] Mariko Yamazaki: "Photoinduced microsecond-charge-separation in retinyl-C_<60> dyad"The Journal of Physical Chemistry A. 105・38. 8615-8622 (2001)
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[Publications] Mamoru Fujitsuka: "Photoinduced charge separation and recombination processes in fine particles of oligothiophene-C_<60> dyad molecules"The Journal of Physical Chemistry A. 105・41. 9930-9934 (2001)
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[Publications] Mamoru Fujitsuka: "Photoexcited properties of silicon phthalocyanine monomer, dimer, and trimer"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 74・10. 1823-1829 (2001)
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[Publications] Mamoru Fujitsuka: "Photophysical and photochemical properties of decakis-adduct of C_<120> and related compounds"Chemistry Letters. (印刷中).