2000 Fiscal Year Annual Research Report
電解法による新規なTiN-基複合窒化物前駆体の合成と薄膜作製・特性評価
Project/Area Number |
12875167
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋田 志郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90002310)
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Keywords | 電解 / TiN / 複合窒化物 / 前駆体 / 薄膜 |
Research Abstract |
Ar気流のグローボックス中で、電解質の臭化テトラブチルアンモニウムとアルキルアミンを溶解したアセトニトリル溶液中で、Ti板をアノード電極、白金板をカソード電極として定電流電解(電流密度:20〜100mA cm^2)を行った結果、黒色の粘性の高い液体が生成した。この前駆体溶液を、90〜100℃、高純度アルゴン中で還流し重合・固化した。FT-IR測定から、N-HとCH_3の存在、^1H-NMR測定から、CH_2とα-水素原子の存在が確認され、得られた重合体はチタンルキルアミド前駆体であることが分かった。元素分析の結果から、この前駆体の化学式はTiN(C_4H_8)となった。 Arとアンモニア雰囲気下でのTG-DTA-MS同時測定から、前駆体の熱分解過程を検討した。Ar中では、分解は50-500℃と500-1100℃の2段階で進み、アンモニア中での熱分解は1000℃で完了し、重量減少率は共に70wt%に達し、アンモニアは前駆体の熱分解を促進することを明らかにした。この結果に基づき、アンモニア中で前駆体を600-1000℃で熱分解した結果、温度の上昇と共に結晶性の良いTiNが得られ、1000℃で生成したTiNの粒子サイズは約10nmであった。しかし、この条件下で生成したTiNの窒素量は理論量(22wt%)と比較すると13wt%と少なかった。そこで、前駆体を400℃で一度加熱し、その後、所定の温度で焼成する二段階焼成を行った結果、窒素含有量が増加し、不純物の酸素量も減少した。
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