2001 Fiscal Year Annual Research Report
2次の非線形光学材料を目指した剛直高分子単結晶の調製
Project/Area Number |
12875188
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 祐彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20032930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 邦生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40274013)
島村 薫 岡山大学, 工学部, 教授 (80013506)
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Keywords | ポリアゾメチンエステル / 芳香族高分子 / 高分子単結晶 / ウィスカー / 重合結晶化 / 固相重合 / 高次構造 |
Research Abstract |
1.緒言:剛直構造からなる芳香族高分子は分子鎖方向に大きな超分極を示すために,2次の非線形光学材料としても注目され始めている。しかし,分子構造が剛直であるゆえに不溶不融であり,材料への成形加工が困難であるという問題を抱えている。そこで本研究では,非線形光学特性が期待できるポリアゾメチンエステル(PAME)の高次構造形成について検討した。 2.実験:ポリマー換算で1.0wt/vol%になるように4-(4-アセトキシフェニル)イミノ安息香酸(APBA)と重合溶媒を反応容器に入れ,窒素雰囲気中所定温度で6時間重合した。 3.結果と考察:流動パラフィン(LPF)と芳香族熱媒であるTherm S 1000(TS10,ジベンジルトルエン混合物)を重合溶媒とし,300℃で重合を行った。LPFを用いて重合を行った場合,長さが7im,径が2.5imの紡錘型結晶が35%の収率で得られた。両端が尖っていること,ならびに対称的な形態を示したことより,スパイラル成長によるラメラ晶の積層結晶化により結晶が成長したと推察された。しかしながら,紡錘型結晶の表面がスムーズではなく,ラメラ晶間で,の後重合と再組織化によるラメラ晶積層構造の消失が起きていない。そこで次に,LPFに比べてオリゴマーとの相溶性が高いTS10中で重合を行った。その結果,結晶収率は10%以下と低いが,板状結晶の集合体とともに,長さが40im,径が2imの針状結晶が得られた。LPFに比べてTS10溶媒の方がアスペクト比が高く、長い針状結晶が生成することが分かった。効率的な後重合を起こさせるために,TS10中で温度を320℃,350℃に上げて重合を行った。その結果,350℃では長さ方向に成長した長い針状結晶が生成し,その表面は非常に滑らかであった。重合温度を上げることによって,ラメラ晶間での後重合が効率よく起きたためと考えられる。 4.結論:APBAをTS10中350℃で重合することにより,PAMEの針状結晶が生成することを明らかにした。
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