2001 Fiscal Year Annual Research Report
豆類の発芽種子へのアグロバクテリウム注入による形質転換体作出法の開発と応用
Project/Area Number |
12876001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀谷 壽昭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70006013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩月 明(菅野 明) 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10260449)
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Keywords | 形質転換 / ダイズ / インゲンマメ / アグロバクテリウム |
Research Abstract |
本研究は組織培養による再分化が非常に困難な豆類(ダイズ、インゲンマメ)の種子を遺伝子導入の対象として、「発芽種子へのアグロバクテリウム感染による形質転換法の開発とその応用」を目的とする。これまでの我々の研究において、形質転換率に影響する主要な要因として次の3つがあげられる。1)以下、それぞれについてこれまでに明らかになった点について述べる。1.)a)十分に発芽力のある種子でアグロバクテリウムを注入する種子の状態2)注入する部位と注入方法3)注入後の植物の育成条件あること。b)発芽時の根の伸張が正常であること(色が褐変していない)。c)吸水した種子の子葉がひび割れしていないこと。これらは収穫後の種子の貯蔵条件、発芽条件に影響される。2)1)の条件を満たす発芽種子から、一つの子葉を基部から切り取り,残りの子葉の基部(生長点)にむけて子葉から注射針を刺してアグロバクテリウムを注射器で注入することになるが、この時の注射針の位置、注入する力、注入する速度がその後の幼植物の生長に影響を与える。3)注入後の植物は、無菌的土壌、18-20C下で育成し、水分過多にならないように栽培管理することが必要である。形質転換体の出現率は、実験者の技術に依存するが、特に、2)によって大きく影響される。そこで、注射器を用いないで、バキューム法とソニケーション法によってアグロバクテリウム懸濁液(EHA101, pIG121Hm, pIG121-LEA)をダイズ(Peking, Orba)、インゲンマメ(ライトグリーン、スーパーライト)、の発芽種子に浸透させた。上記の検討した条件を用いて遺伝子導入を試み、T1植物のPCRサザン分析を行った。さらにT2植物について、分析中であるが、本法によって形質転換体が得られる可能性が非常に高いと言える。今後、選抜方法を検討することによって、効率よく形質転換体が作出できるものと思われる。本法により育成されたlea遺伝子を導入したダイズ、及びインゲンマメ(T1)さらにその後代(T2)も塩、乾燥に対して、耐性であることが分かり、本法の有用性を実証することができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Efendi, H.Kisaka, A.Kanno, T.Kameya: "Transformation of soybean by infection of embryogenic callus and injection with Agrobacterium into germinating seeds"Plant Biotechnology. 17. 187-194 (2000)