2002 Fiscal Year Annual Research Report

ウリ類の果実における果肉細胞の大きさと糖集積との関連性

Research Project

Project/Area Number	12876007
Research Institution	Ishikawa Agricultural College
Principal Investigator	加納恭卓石川県農業短期大学, その他部局等, 教授 (80115823)
Keywords	果肉細胞の大きさ / スクロース集積 / メロン / オーキシン / 物理的果実肥大抑制 / B-9処理 / 果実発育温度 / ナシ
Research Abstract	メロンを含む数種の果実における果肉細胞と糖集積との関連性について調査した. (1)メロン果実における細胞の大きさと糖の集積との関連性を調べるため,メロン果実にオーキシンの一種である4-CPAを処理すると,果実発育早期により大きな果肉細胞が増大し、スクロース集積が促進された. (2)メロン果実の肥大を鉄製の球状の籠を被せ物理的に阻害すると,大きな細胞の数が少なくなる結果,スクロースの集積が抑制され,グルコース,フラクトースの集積が助長された. (3)メロン果実の肥大を植物生長抑制物質のひとつであるB-9処理により阻害すると,大きな果肉細胞の数が少なくなる結果,スクロースの集積が抑制された. (4)播種時期を変えて栽培し,果実の果肉細胞の大きさおよびそれらの数とスクロース集積を調査し,発育初期の温度が高い果実では,低い果実に比べ,大きな細胞がより早期に増大する結果,スクロースの集積が促進され,成熟期のスクロース含量が高くなった. その他の果実についても果肉細胞と糖集積との関連性について調査した. (5)ナシ果実の肥大をGA処理により促進すると,GA処理した果実では果肉細胞の肥大が促進されるためスクロースの集積が促進された。 (6)ブドウとメロン、ナシを比較した結果、果肉細胞が小さいブドウではグルコースおよびフラクトースが,果肉細胞が大きいメロンではスクロースが、小さい細胞と大きな細胞のいずれも含むナシではスクロース、グルコース、フラクトースのいずれも多く集積した。以上の結果より,メロンをはじめその他の果実においても,大きな果肉細胞が多いとスクロースの,小さな細胞が多いとグルコース、フラクトースの集積が促進されるものと考えられる.

Research Products

(11 results)

All Other

All Publications (11 results)

[Publications] Kano, Y.: "Relationship between sucrose accumulation and cell size in 4-CPA-treated melon fruits (Cucumis melo L.)"Journal of Horticultural Science & Biotechnology. Vol.77. 546-550 (2002)
[Publications] Kano, Y.: "Different accumulation of sugars in Japanese pear fruit treated with GA and CPPU"Journal of Horticultural Science & Biotechnology. Vol.78(in press).
[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "スイカ果実の糖含量に及ぼす発育後期の果実温度の影響"園芸学会雑誌. 71(別冊1). 133 (2002)
[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "オーキシン処理後のメロン果実中の細胞の大きさとそれらの数およびスクロース濃度の経時的変化"園芸学会雑誌. 71(別冊1). 396 (2002)
[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "メロン果実の糖集積に及ぼす物理的な果実肥大抑制処理の影響"園芸学会雑誌. 71(別冊2). 142 (2002)
[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "メロン果実の果肉細胞の大きさと糖含量は時刻により変動する"園芸学会雑誌. 71(別冊2). 327 (2002)
[Publications] 宮本百合子, 宮村智佳子, 加納恭卓: "果実特有の甘さは成熟時の果肉細胞の大きさが決定する"園芸学会北陸支部発表要旨. 52 (2002)
[Publications] 木下理恵, 宮村智佳子, 加納恭卓: "ナシ果実'豊水'の果肉細胞の大きさと糖濃度に及ぼすCPPUとGA処理の影響"園芸学会北陸支部発表要旨. 53 (2002)
[Publications] 金津章, 宮村智佳子, 加納恭卓: "ブドウ品種、デラウェアとフジミノリの果肉細胞の大きさと糖組成"園芸学会北陸支部発表要旨. 55 (2002)
[Publications] 矢吹佳子, 宮村智佳子, 加納恭卓: "メロン果実の果肉細胞の大きさおよび糖集積に及ぼす果実結縛の影響"園芸学会北陸支部発表要旨. 56 (2002)
[Publications] 金森友里, 宮村智佳子, 加納恭卓: "メロン果実の果肉細胞の大きさと糖濃度に及ぼすB-9処理の影響"園芸学会北陸支部発表要旨. 57 (2002)

2002 Fiscal Year Annual Research Report

ウリ類の果実における果肉細胞の大きさと糖集積との関連性

Principal Investigator

加納 恭卓 石川県農業短期大学, その他部局等, 教授 (80115823)

Research Products

[Publications] Kano, Y.: "Relationship between sucrose accumulation and cell size in 4-CPA-treated melon fruits (Cucumis melo L.)"Journal of Horticultural Science & Biotechnology. Vol.77. 546-550 (2002)

[Publications] Kano, Y.: "Different accumulation of sugars in Japanese pear fruit treated with GA and CPPU"Journal of Horticultural Science & Biotechnology. Vol.78(in press).

[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "スイカ果実の糖含量に及ぼす発育後期の果実温度の影響"園芸学会雑誌. 71(別冊1). 133 (2002)

[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "オーキシン処理後のメロン果実中の細胞の大きさとそれらの数およびスクロース濃度の経時的変化"園芸学会雑誌. 71(別冊1). 396 (2002)

[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "メロン果実の糖集積に及ぼす物理的な果実肥大抑制処理の影響"園芸学会雑誌. 71(別冊2). 142 (2002)

[Publications] 加納恭卓, 宮村智佳子: "メロン果実の果肉細胞の大きさと糖含量は時刻により変動する"園芸学会雑誌. 71(別冊2). 327 (2002)

[Publications] 宮本百合子, 宮村智佳子, 加納恭卓: "果実特有の甘さは成熟時の果肉細胞の大きさが決定する"園芸学会北陸支部発表要旨. 52 (2002)

[Publications] 木下理恵, 宮村智佳子, 加納恭卓: "ナシ果実'豊水'の果肉細胞の大きさと糖濃度に及ぼすCPPUとGA処理の影響"園芸学会北陸支部発表要旨. 53 (2002)

[Publications] 金津 章, 宮村智佳子, 加納恭卓: "ブドウ品種、デラウェアとフジミノリの果肉細胞の大きさと糖組成"園芸学会北陸支部発表要旨. 55 (2002)

[Publications] 矢吹佳子, 宮村智佳子, 加納恭卓: "メロン果実の果肉細胞の大きさおよび糖集積に及ぼす果実結縛の影響"園芸学会北陸支部発表要旨. 56 (2002)

[Publications] 金森友里, 宮村智佳子, 加納恭卓: "メロン果実の果肉細胞の大きさと糖濃度に及ぼすB-9処理の影響"園芸学会北陸支部発表要旨. 57 (2002)

加納恭卓石川県農業短期大学, その他部局等, 教授 (80115823)

[Publications] 金津章, 宮村智佳子, 加納恭卓: "ブドウ品種、デラウェアとフジミノリの果肉細胞の大きさと糖組成"園芸学会北陸支部発表要旨. 55 (2002)