2001 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌の蛋白質膜透過機構の解明と高度好塩古細菌を宿主とした膜蛋白質高生産系の構築
Project/Area Number |
12876021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
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Keywords | 古細菌 / 高度好塩古細菌 / 蛋白質膜透過 / SecY / SecE / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
真正細菌、真核生物とともに生物界を構成する三つのドメインの一つ古細菌の蛋白質膜透過装置を明らかにすることを目的として、高度好塩古細菌Haloferax volcaniiの膜透過装置を研究した。また、高度好塩古細菌を宿主とした膜蛋白質高生産系の開発を目的として、本菌の膜透過装置の増強を試みた。 1.高度に精製したポリエチレングリコールを用いたH.volcaniiの形質転換法を確立した。 2.H.volcaniiのゲノムライブラリーから単離した膜透過装置の構成因子(SecY、SecE)の遺伝子をH.volcanii用ベクターpMDS15のP2プロモーター下流に挿入し、制限酵素処理により、プロモーター下流にSecYあるいはSecE遺伝子が挿入されたDNA断片を得た。各断片を発現用シャトルベクターpMLH3およびpMDS30に各々挿入しSecEの発現用ベクターp30EとSecY発現用ベクターp3Yを構築した。またSecYとEの共発現用ベクターとしてp3YにSecE DNA断片を挿入したp3YEを構築した。これらにより、H.volcaniiの膜透過装置を増強できれば、膜蛋白質の生産量増加が期待される。 3.膜透過装置を構成する新規因子を探索するため、架橋剤を用いてSecY近傍に存在する蛋白質の同定を試みた。架橋剤(EGS、Sulfo-EGS、DST)および架橋反応液中の塩濃度を変えることにより条件検討を行った。その結果、SecYに対する抗体を用いたウェスタンブロット解析によりSecYと架橋されるタンパク質の存在が明らかとなった。架橋されたタシパク質の同定により、SecYやSecE以外の膜透過装置構成因子を明らかにできるものと考えられる。
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